惰性で行うとおカネを浪費する!
効果的な「大規模修繕」のやり方

【第3回】2013年2月12日公開(2013年2月8日更新)

工事の発注先は
大きく分けて3種類

 建物診断を踏まえ、大規模工事の範囲や内容が固まったら、次に工事業者の選定を行う。

 その際、最初から1社に決めて交渉するのではなく、タイプの異なる数社に声を掛け、コストや経験、技術力、財務体質、安定性などをよく比較して選ぶほうがよい。その会社が手掛けた他物件の関係者にヒアリングするのも参考になるだろう。

 大規模修繕工事の発注先には大きく分けて、

①管理会社
②ゼネコン
③専門工事会社

 の3つがある。

 従来は、管理会社に建物診断からまとめて任せるケースが多かった。その理由は「管理会社なら、自分たちのマンションのことをよく知っているだろう」ということだ。確かに管理会社に任せることには一定の合理性があるが、前述の通り、ややもするともともとの長期修繕計画どおりに工事を進める傾向があり、工事費も割高になりがちである。

 最終的には管理会社に発注するにせよ、別のゼネコンや専門工事会社などに声を掛けることで、よい緊張関係が生まれるはずだ。発注先の選定に当たって、第三者の専門家のアドバイスや意見を参考にするのもいいだろう。

 もうひとつ、大規模修繕工事で大事なのは、工事のチェックをどうするかということだ。これを専門用語で「監理」と呼び、「分離方式(設計監理方式)」と「責任施工方式」がある。

 分離方式は施工と監理を分け、施工は工事会社、監理は外部の設計事務所に任せるものだ。分離方式では設計事務所に支払う費用が発生するが、理事会や専門委員会のメンバーに過重な負担を掛けることなく、工事内容や予算について専門的なチェックが行える。また、入札での工事業者選びの段階から、アドバイスを受けることもできる。

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