施設再開発で利用者の連携・協働を支援
これまで物流を取り巻く環境変化に対応しながら、土地の高度利用に取り組んできたJMTが、現在着手しているのが板橋トラックターミナル(東京都板橋区)の全体再開発。これまでも施設単体での新設やリニューアルは行ってきたが、トラックターミナルの敷地全体を一体的に再開発するのは今回が初めてとなる。その中で特積事業者向けに提供してきた平屋建ての荷さばき施設8棟を2層式の専用施設2棟に建て替える工事を進めてきたが、その1棟目がいよいよ今春に竣工を迎える。2層式の施設にすることで工期の大幅な短縮を図り、特積事業者同士が輸配送の共同化などの連携を進めやすくなることも特長だ。
全体再開発が進行中の板橋トラックターミナル(東京都板橋区)の様子
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「2024年問題が迫る中、今後は事業者間の協働による生産性向上がより大事になります。従来の平屋建てから2層式に変わることで連携効率向上の一助となるはずです」
また、施設のトラック接車部分にはシャッターを設置したほか、1階部分は全天候型の荷役が可能になるなど使い勝手を大幅に向上させた。「今後の荷さばき施設のモデルとなり得る施設であり、当社がこれからも特積事業者の皆さまをしっかり支えていくという強い決意が表れた施設です」と自信を見せる。
今後、25年春に2棟目の2層式の専用施設が完成すれば、特積事業者向け施設が従来の半分の敷地内に収まり、敷地の南側に約5万平方メートルの新たな開発用地が誕生する。
「計算上では延べ床面積約15万平方メートルの物流施設が建設可能です。100年企業を目指す当社にとって非常に重要なプロジェクトであり、物流業界のニーズにしっかりアンテナを立てながら、最大の価値を生み出せるような計画にしていきます。25年度にはその方向性を打ち出す予定です」と語る。
物流を底支えする存在であり続ける
「2024年問題」が物流業界の大きな課題となる中、持続可能な物流を支える立場であるJMTとして何ができるのか――。
「当社としての貢献の在り方を常に模索していますが、JMTの施設を利用すること自体が労働力確保や業務効率化のお役に立っている面は少なからずあると思います」と語る。JMTが提唱する「メトロポリタン・ロジスティクス(大都市物流戦略)」では、同社が持つ強みとして、(1)リードタイム短縮に優れたアクセス、(2)労働力確保に優れた立地と充実したアメニティー施設、(3)共同輸配送や陸海空の連携に有利、(4)災害にも強く24時間365日稼働可能――という四つのアドバンテージを掲げており、それらは取りも直さず「2024年問題」を解決する一助ともなり得る。18年からは「働く人への応援活動」を展開し、働く人にとって魅力あるトラックターミナルづくりに力を入れている。
「これまでも、これからも物流を底支えする存在であり続けるために、当社が持っている価値をさらに磨き上げていきます」と決意を語る。