物流DX基盤と高い現場力――。長年にわたって磨き込まれてきた”強み”が、そのまま未来の物流へのソリューションになっている会社、それがエヌ・ティ・ティ・ロジスコ(以下、NTTロジスコ)だ。かつてない追い風が吹く中、新たなステージに上ろうとしている同社の差別化戦略を、中江康二社長が語る。

 物流業界でNTTロジスコの存在感がにわかに高まっている。物流のデジタル化の流れが加速する中、日本最大の通信事業者であるNTTグループのDNAを受け継ぐ同社のDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略が強みを発揮しつつある。

 同社は1991年にNTTの物流部門が分離独立して誕生。通信機器やケーブルなど通信ネットワークに関わる物流業務を担ってきたが、独立後は3PL(サード・パーティー・ロジスティクス=荷主に物流改革を提案して包括的に物流業務を受託すること)事業者としてNTTグループ外の業務受託を拡大。現在は売上高の5割強をグループ外からの収入が占めるまでに成長した。

ICTやデジタル技術が強み。写真は自動洗浄ロボット

 取り扱う商材は多岐にわたるが、主力はICT(情報通信技術)機器、医療機器、化粧品、エンターテインメントグッズの4領域。このうちICT機器の物流では、ルーターやセットトップボックスなど多様な通信機器を回収後に再生(リファービッシュ)して再出荷する取り組みを拡大している。医療機器の物流では、医療機関に納品した手術道具や医療器材を使用後に回収し、物流センター内で洗浄・メンテナンスして再出荷するというスキームが好評だ。

 中江康二社長は「高付加価値かつ繊細な荷扱いが求められる品目が多いことが、当社の物流品質への高い信頼を表しています」と語る。同社の倉庫はTPS(トヨタ生産方式)をベースにしたLGPS(LOGISCO Production System=ロジスコ生産方式)によって標準化・マニュアル化が徹底されており、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)が行き届いた倉庫内は、見学者から驚かれることも少なくないという。

NTTグループのDNAが生み出す“違い”

 こうした高い物流品質の裏側には、NTTグループの一員として培われてきたDNAが脈々と息づいている。「NTTグループには明治以来の長い歴史の中で、日本の通信インフラを守るという強い使命感が受け継がれています。その物流を現場から支えてきた当社には、特にその思いが強いかもしれません」。

エヌ・ティ・ティ・ロジスコ
中江康二
代表取締役社長

 ICTやデジタルに強いことも物流会社としての大きな強みだ。「本社人員の3分の1に当たる約100人がIT系人材であり、WMS(倉庫管理システム)をはじめとする各種システムを自前で開発しています。ICTやデジタル技術を積極的に活用しながら業務を改善していくマインドが隅々にまで行き渡っていることは、他の物流会社にはない財産です」と強調する。

 労働力不足や「2024年問題」などの課題が山積する物流業界にとって、DXによる変革や生産性向上はまさに待ったなしの課題であり、DXに強みを持つ同社への期待は高い。「当社に強いフォローの風が吹いていることは認識しています。最先端の技術を目利きできる力などをフルに活用して、お客さまのサプライチェーン改革に貢献していきます」と語る。