物流現場での豊富な経験に裏打ちされたコンサルティングができることも、同社の大きな特長だ。例えば、一度に大量発注すれば在庫は増え、多頻度少量発注にすれば手間が煩雑になるというサプライチェーンの課題。これを、表面的なデータだけで最適化しようとすると、現場に多くのしわ寄せがいってしまうことがよくある。「物流現場それぞれの事情を考慮した上で“最適解”がどこにあるのか。それを導き出せるのが、常に現場を動かしている当社の大きな強みです」と言い切る。

最適化に貢献し続けるプラットフォームを構築

 こうした数々の強みやリソースを持つ同社が今回、さらなる物流変革を促すために打ち出したのが「物流プロセス最適化&共進化プラットフォーム」、通称「LOPOCE(ロポス=Logistics Process Optimization and Co-evolution Platform)」だ。日々のオペレーションなどから得られる物流データを統合して駆使することで、多種多様な顧客に対して柔軟かつ最適な物流プロセスを設計・構築。さらに、その後も絶え間なく改善提案を行うことでサプライチェーンの最適化に貢献し続けるプラットフォーム、というコンセプトだ。

「日々のオペレーションから吸い上げられるさまざまなデータを組み合わせ、ナレッジにまで高めていくことが、新たな価値を生み出す源泉になっています。また、ベンチャーやスタートアップとの連携をさらに加速させ、“共進化”していきます。今後は社内のリソースをこのコンセプトの下に集中させていきたい」と意気込む。

 また、通信機器や医療機器などの分野で展開している“三つのRe”ビジネス(Reuse、Repair、Recycle)の拡大を見据えて、「サーキュラーロジスティクスに強い会社」としてのポジションも確立していく。「世界的な環境負荷軽減や循環経済の進展という流れに沿ったものです。現在、この分野で100億円程度の売り上げがありますが、3年以内に1.5倍に増やしていきます」。

物流DXの旗手が起こす変革の波。新たなステージへの差別化戦略に迫る旧本社があった平和島物流センター

物流の“ゼロ地点”から変革の波を起こす

 物流のデジタル化という“追い風”を受けながら、自らを変えていこうとするNTTロジスコ。その変革の象徴でもあるのが、今年2月に行った東京・日本橋への本社移転だ。「日本橋という場所は、交通における『ゼロ地点』であり、物流発祥の地ともいえます。そこに本社を置くことには、ゼロベースで物流を変えていきたいというわれわれの強い思いが込められています」と語る。旧本社があった東京・平和島は物流としては一等地だが、そこにとどまっていては物流会社の枠は超えられない。

物流DXの旗手が起こす変革の波。新たなステージへの差別化戦略に迫る東京・日本橋の新本社エントランス

「当社の強みをさらに磨いていくためにも、イノベーションを加速させる必要があります。新本社で外部のリソースや異業種との交流を増やし、物流の世界だけに閉じない活動を展開していきます」と展望する。

●問い合わせ先
株式会社エヌ・ティ・ティ・ロジスコ
〒103-8277 東京都中央区日本橋2-1-3 アーバンネット日本橋二丁目ビル4階
TEL:0120-706-245
URL:https://www.nttlogisco.com/