「情報流」では、グループ内で開発した物流システムを自社の現場で活用するとともに、外部への提供・販売も行っていく。倉庫領域では、倉庫管理システムや各種自動化設備の連携を最適化するRCS(Resource Control System)の開発・導入を進めているほか、デジタルツインを活用した仮想空間における物流センターの検証シミュレーションにも取り組む。輸配送領域では、ドライバーの安全・労務管理、請求や車両管理といった輸送事業にかかる全ての業務を網羅したシステムであるSSCV(Smart & Safety Connected Vehicle)を開発・提供。さらに、サプライチェーンの最適化に貢献するシステムの構築にも取り組んでいる。「ITシステムインテグレーターと違うのは、当社は自らの現場でシステムを使いながら、品質を磨き、それを外部向けに提供していけることです」と強調する。

「商流」では、VMI(Vendor Managed Inventory=納入業者在庫管理方式)に取り組む。「物流会社として在庫を抱えるリスクはあるものの、商社と比べ商流部分のマージンは少なくて済むため、勝機はあります」。

 また「金流」ではWeb3(ブロックチェーン技術を使った分散型インターネット)による決済プラットフォーム作りを進めていく。「DAO(分散型自律組織)の中で早期決済などを可能にしていけば、パートナー会社とのエコシステム(経済圏)形成につながっていきます」と展望する。

グローバル3PLトップへ 海外事業を拡大

 同社は海外4極(北米、欧州、中国、アジア)の強化・拡大にも力を入れている。北米では事業多角化を推進。これまでは自動車メーカー向けのミルクラン(巡回集荷)物流などが主体だったが、「M&Aも駆使しながら、輸送ビジネスと3PL(サード・パーティー・ロジスティクス=荷主に物流改革を提案して包括的に物流業務を受託すること)事業を拡大していきます」と意気込む。

 欧州では、トルコのグループ会社が提供する鉄道と船舶によるインターモーダル輸送が、環境意識の高まりなどを背景に好調。日系以外の大手自動車メーカーの新規受注が増えている。ほかに、チェコとオランダでもM&AによりEC関連の返品物流や医薬品物流の新規拡大が続いている。中国では、これまでの沿海部を中心とした拠点展開から、西南エリアなど内陸部への展開を進めている。アジアでは、特にインドでの事業拡大に注力しており、デリー、ムンバイなど4都市において大型物流センター建設を推進中。この他のアジア各国でもコールドチェーン物流の整備などを加速させている。

欧州でトルコのグループ会社が提供する鉄道と船舶によるインターモーダル輸送

「4極とも、地域完結型のビジネスを目指した現地人材の採用など、オーガニックベースの成長に注力してきましたが、今後はKKRの力を借りながら、M&A戦略も絡めつつ海外事業を強化・拡大していきます」

「LOGISTEED2030」で実現を目指す「グローバル3PLリーディングカンパニー」に向けた視界は良好だ。

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ロジスティード株式会社
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