木造住宅の供給実績とノウハウを生かし、非住宅事業に注力するアイダ設計 荒木義則執行役員(左)阿部真寿美専務取締役(中央)大槻智輝常務執行役員(右)

「かつては大工による手加工が必要で、1棟分の部材を作るのに約2週間かかっていました。今、工場では約2時間で1棟分のプレカットが完成します。工場は24時間のフル稼働で、1日約13~15棟分の構造材を作り出しています」

 そう説明するのは、大槻智輝常務執行役員だ。

 アイダ設計の強みは、何といってもこのプレカット工場にある。木材の大量一括仕入れによってコストダウンを図り、中間マージンを削除して、物流や在庫管理を迅速化する。さらに、自社加工による部材の均質化など、徹底的に無駄を省きながら低コスト化を追求。建築現場ではプレカットの構造材を組み立てるだけなので、棟上げも1日で完了する。つまり、高品質を維持しながら工期短縮とコスト削減を両立しているのだ。

 アイダ設計の創業は1981年。その社名の通り設計をルーツとするハウスメーカーだ。「正直価格」をキーワードに誠実な家造りを提案、品質や性能にこだわりながらコストダウンに取り組んできた。後継者の育成にも力を入れ「社員大工育成プロジェクト」を実施。職人の高齢化が進む中で技術の継承を行い、品質の良い家造りを実現している。