プロアクティブな
顧客セグメント戦略

 ポータブル家賃保証(BtoCモデル)は企業職域での導入を進めており、従業員の利用特典として保証料の一部を還元する優待プランを実施している。採用企業は従業員の福利厚生の一環になると歓迎している。近い将来、サービスの提供先を社会人予備軍である大学生や今後増加が見込まれる在留の外国人にも拡大する計画だ。

 現時点でポータブル家賃保証(BtoCモデル)の利用対象となるのは、大手不動産会社のハウスメイトパートナーズが管理する首都圏エリアの賃貸物件だが、「皆さまの幅広いお部屋探しニーズにしっかりと応えるため、多くの不動産会社と提携し、物件ポータルに掲載する物件情報の拡充を進めています」と金子室長は話す。

 不動産会社からポータブル家賃保証(BtoCモデル)を見ると、審査承認済みの従業員などの経済的に安定した入居者が紹介されるサービスであり、家主から管理を委託される賃貸物件の空室対策として、物件ポータルに物件情報を提供するメリットは十分にあるといえそうだ。

会員向けECサイトで
上質なサービスを展開

 ウェルオンソリューションズは、人にひも付く家賃債務保証の特徴を生かし、その先を見据えたサービスの展開を進めている。キーワードは、会員化だ。

 丸の内よろずが運営する会員制ECサイト「WELLONネット」と提携して、今秋からポータブル家賃保証利用者向けの新たなECサイトを開設する。

 上野社長によると、新しいECサイトでは、新生活を始めるポータブル家賃保証利用者にとって便利なサービスを用意するという。

「会員優待価格の引っ越しサービスや家電・家具商品の提供、引っ越し後の生活を充実させるプレミアムなサービスなどを提供するとともに、ポータブル家賃保証利用者に、ECサイトで利用可能なポイントを付与する予定です」。また、「利用者の皆さまにとって便利で役立つさまざまなサービスを持続的に提供することで会員ロイヤルティーの向上を図り、住み替え時のリテンション(ポータブル家賃保証の再利用)を強化していきます」と話す。