松井 人材にとっては、月に数回の稼働で済むことが魅力だったようですね。これなら、仕事を辞めずに副業・兼業でこなせますし、移住を伴うという精神的な負担もないので、気楽に手を挙げられます。

 一方で企業は、フルタイムで雇用する必要がなく、報酬が月3万~5万円で済むことがありがたいと感じたようです。

 相談に乗ってもらえる時間は限られるものの、都市部に住む人材が、そのキャリアや経験を生かして「どうすれば売り上げをアップできるのか?」「どんな新規事業が展開できるのか?」といったことをアドバイスしてくれるのですから、非常に有益です。

 ある老舗企業が「週1副社長」の助言を受けて、中期経営計画を策定し、食品自動販売機の設置を新規事業として始めるなど、成功例も数多く出ています。

「スキル循環社会」を生み出していきたい

鏑木 人材を雇用するのではなく、その経験やスキルをスポットで活用するというのは、今の時代に合った方法だと思います。先ほども述べたように、人手不足の中で、企業間では優秀な人材の取り合いも起こっているので、欲しい人材を雇用するまでには相当な時間がかかります。しかし、経営を取り巻く環境はどんどん変化しているので、待っている時間はありません。

 そこで、雇用という選択肢の他に、副業・フリーランスとして経験やスキルを提供してくれる人材をスポットで活用するという方法も柔軟に組み合わせることが求められているのです。

 パーソルキャリアはそうしたニーズを予見し、11年に副業・フリーランス人材と企業をつなぎ、企業の課題解決を担う、経営支援サービスを立ち上げました。現在は「HiPro(ハイプロ)」というサービスで、経営課題の解決から、テクノロジー分野まで、多彩な経験とスキルを持ったプロ人材と企業のマッチング、企業課題の解決の支援を行っています。

松井 雇用という枠を取り払えば、個々の人材が持つ経験やスキルの流動性はもっと高まっていくのではないでしょうか。

鏑木 その通りです。当社ではそれを「スキル循環」と呼んでいます。「HiPro」を通じて、1人の人材が持つスキルがさまざまな企業に提供され、その経験を通じて人材のスキルがさらに向上するという「スキル循環社会」を生み出していきたいと思っています。

松井 地方にも、その動きが広がることを期待したいですね。

鏑木 そうしたニーズに対応するため、「HiPro」は「スキルリターンプロジェクト」をスタートする予定です。人材不足が特に顕著な地方の「スキル循環」を支援するためのプロジェクトです。

 今後、全国展開していく予定ですので、ぜひご期待ください。

外部プロ人材の活用で地方企業の課題解決を目指す鳥取県立鳥取ハローワーク
とっとりプロフェッショナル人材戦略拠点 戦略マネージャー
松井太郎ソフトバンクを経て、2016年から現職。地方版ハローワーク「鳥取県立ハローワーク」の無料職業紹介機能と「プロフェッショナル人材戦略拠点」の人材スカウト機能を組み合わせた全国初のビジネス人材誘致プラットフォームを構築し、19年に「とっとり副業・兼業プロジェクト~鳥取県で週1副社長~」を立ち上げる。近著に『週1副社長になりませんか。』(今井出版)。
外部プロ人材の活用で地方企業の課題解決を目指すパーソルキャリア 執行役員
HiPro 編集長 兼 HiPro 事業責任者
鏑木陽二朗2001年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)入社。11年に、プロ人材による経営支援サービス「i-common(アイコモン)」(現「HiPro Biz(ハイプロビズ)」)を立ち上げ、事業責任者として組織をけん引。21年10月に執行役員就任。22年5月、業界初となるプロフェッショナル人材の総合活用支援サービス「HiPro(ハイプロ)」を立ち上げ、HiPro編集長に就任。
■お問い合わせ
パーソルキャリア株式会社
副業・フリーランスのプロ人材活用なら HiPro[ハイプロ]
URL:https://hipro-job.jp/