本当に子どもの力を伸ばす学校

多文化共生キャンパスの先駆け。豊かな感受性を持つ国際人を育てる

ラウンドスクエア加盟校の
活動も活発に

 語学教育で重視しているのは、思考言語として英語を捉え、マルチリンガルを育てること。授業は習熟度別クラス編成で、一般英語クラスと国際英語クラスに分かれ、それぞれの英語力に応じた学びを展開している。英語担当のネイティブスピーカーが6人いるほか、中国語、コリア語、フランス語、ドイツ語、スペイン語の外国人教員が在職している。

 高2・高3の選択科目では、第2外国語として、中国語、コリア語、フランス語のいずれか一つを履修することが可能。また同校には「国際理解の日」があり、年ごとに特定の国をテーマにして、さまざまな課題について調べ合い、発表する伝統行事がある。

多文化共生キャンパスの先駆け。豊かな感受性を持つ国際人を育てる世界50カ国の私立学校が加盟するラウンドスクエア。ラウンドスクエア国際会議への参加や加盟校との交流、交換留学などの活動がある

 国際交流にも力を入れており、ラウンドスクエア加盟校としての活動も盛んだ。ラウンドスクエア国際会議に代表生徒を派遣するほか、加盟校との交流も行い、23年度は2人の生徒が交換留学でオーストラリアに留学を予定している。さらにSAT(米国の高校生が大学進学の際に受験する共通テスト)の導入も検討中で、「こうした環境で培われる語学力は、大学入試でも大きな武器になります」と夏坂理事長は語る。

多文化共生キャンパスの先駆け。豊かな感受性を持つ国際人を育てる啓明学園中学校高等学校
大坪隆明校長

 語学教育に加え、同校が大切にしているのは“自ら学びに向かう姿勢”を育てることである。大坪隆明校長は、「人間はみな“考える”ことが大好きです。それが最も人間らしい行為だからだと思います。問題が複雑化、高度化するにつれて、高いレベルの知識習得や訓練が求められるようになりますが、それも“考える”という行為を成り立たせるには必要なこと。生徒たちには一生の財産となる“自ら学ぶ力”を身に付けてほしい」と話す。

多文化共生キャンパスの先駆け。豊かな感受性を持つ国際人を育てる自ら学ぶ姿勢を身に付けるため中学では「生徒手帳」を活用。学習予定や学習時間・内容、振り返りを書き込む欄があり、教員からのフィードバックもある

 主体的に学ぶ力、考える力を育てるために、“教える”よりも“気付く”授業を重視している。中学では週1時間、数学と他教科を組み合わせた教科横断型学習「マスクエスト」を実施する。授業での学びが実社会でどう使われているのかを体験し、数学への関心を高めるのが狙いだ。例えば、演奏時間を計算してコンサートの計画を立てる(数学×音楽)、自然の中で幾何学模様柄(フラクタル)を探す(数学×理科)など。疑問や不思議を生徒に問い掛け、共に答えを考えることで探究する楽しさを実感させている。

多文化共生キャンパスの先駆け。豊かな感受性を持つ国際人を育てるマスクエストは、調べ学習や実験、キャンパス内の自然を使うフィールドワークを中心に展開する
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