「見える学力」と「見えない学力」の両輪がこれからの時代には不可欠という方針の下、好奇心に基づく自己探究型の授業や本物に触れる体験学習を展開。2020年度に設置した探究クラスが成果を上げている。
成立学園中学・高等学校
福田英二校長
福田英二校長
成立学園中学・高等学校では、従来の知識習得型の「見える学力」を成立メソッドと呼ばれる手厚いサポートでしっかり身に付けさせるのと同時に、生徒の探究心や好奇心を多方面から刺激することで、「見えない学力」の向上につなげている。「見えない学力」とは、自ら獲得した教養を糧に、考え、行動し、発信する力のことを指す。
アース・プロジェクトでは現地の人たちとのコミュニケーションも生徒の視野を広げる
その柱となっているのが、同校独自の「アース・プロジェクト」だ。田植えから脱穀、実食まで全工程を体験する「水田学習」、樹海探検や富士登山をする「チャレンジキャンプ」、海洋生物の観察を行う「海のフィールドワーク」、世界自然遺産の屋久島や種子島宇宙センターを訪問する「アース・ツアー」など本物に触れる体験に出掛ける。また、「ナショジオ学習」では、「ナショナル ジオグラフィック」日本版の記事をテーマに調査・分析・発表を行い、探究学習のスキルを身に付ける。
生徒と教員の距離が近いのも成立学園の特長の一つ。福田校長は毎朝、校門で生徒を出迎える
福田英二校長は「長期休暇の時期を使い、学年や教科を取り払って中1~高2が共に学ぶ『アカデミックツアー』にも力を入れています。2022年夏は、千葉工業大学の教授やJAXAの職員から宇宙での野菜栽培や移住計画など最先端の話を聞く『宇宙を読み解く3日間』をはじめ、多方面から生徒の好奇心を揺さぶることができるように、外部講師の力も借りて、人文、自然、スポーツ、情報、社会の5分野から35講座を用意しました。どの講座を選択しても、そこから生徒に『何か』を見つけて深掘りしてほしいと考えています」と話す。