6社のトップはJR東日本
コロナ禍でボーナスが減少
ランキングは以下となる。
ワースト1位となったのがJR東日本だ。従業員の不満投稿の数は他社を大きく上回る68件に達した。
同社の働き方に関する投稿で目立つのは、現場の負担増を訴えたものだ。「人員減で、現場の社員は高熱だろうが、這ってでも出社している」との口コミがあった。
実際に、JR東日本の鉄道を中心とする輸送事業の従業員数は18年3月に約4万7000人いたが、23年3月には約4万人まで減少した。JR東日本関係者は「輸送事業の人員は、自然減で今後さらに減る」と語る。同社は手作業を機械などに置き換える「機械化」を進める方針だ。
将来的には輸送事業の従業員は「3万人ほどまで減る見込み」(同関係者)で、当面は現場の負担感は残りそうだ。JRグループの関係者はこんな実態を指摘する。「現場で、休日勤務の“買い上げ”と呼ばれる休日に超過勤務として働く事例が増えてきている」。
新型コロナ禍による業績悪化を背景とした給与に対する不満も目立った。ある口コミは、年功序列の給与構造を指摘した上で、「コロナ禍以降、賞与額が上がらず不満を持つ人が増えている」と強調する。
JR東日本は鉄道への集中から脱却する「脱・鉄道」路線で、不動産など非鉄道事業の拡大を目指している。経営方針に関して、「今後運輸系の社員は減らされ、他の業務に回されることが予想される」と先行きを不安視する投稿もあった。また、「言葉では『変革』などと言っているが前例踏襲だらけ」と手厳しい口コミもあった。
2位のJR西日本の投稿数は51件だった。同社の口コミで目立ったのは、組織運営に関するものだ。ある口コミは「他部署の業務への理解度が低く、全体最適になっているかどうかが分からない」と縦割り組織の問題点を指摘する。
さらに、「本社などの社員が、現場の実態を分からないまま方針を決めている」という声もあった。結局、現場でトラブルが生じて現場社員にしわ寄せがいく構造に陥っているという。
05年に福知山線脱線事故という未曽有の事故を起こしたJR西日本。安全面に関しては、事故を教訓に「安全に対する感度は高い」という口コミがあった。ただし、17年に発覚した新幹線での台車亀裂事故を引き合いに、「的確な判断ができていない事例が出ている」との声もあった。
3位はJR東海で、投稿件数は23件だった。同社では「引っ越しを伴う転勤が非常に多い」など、勤務地に関する不満の投稿が目立った。また、同社はJRグループの中では、年収が高いことで知られるが、「『30歳過ぎで年収1000万円』とアピールしているが、実際は役職に就いても社内平均を超えて相当残業しなければ超えない」といった投稿もあった。
JR東海が進めるビッグプロジェクトのリニア中央新幹線に関する投稿もあった。ある口コミは、リニア関連の土木系の部署では、「残業時間が月45時間を超えるのが一般的で、下手したら80時間ぐらいになる」と明かしている。
JRグループの主要3社を除くと、将来性などを不安視する声が目立った。4位のJR九州では、「九州は少子高齢化が進み、災害などもある」といった声があった。不動産事業などを強化してきた同社は、コロナ禍でもJR他社に比べて落ち込みは限られたものの、「ボーナスが大幅にカットされた。日々の生活ができなくなる」と待遇面での不満もあった。
5位のJR北海道では、「10年以内に破綻すると思う」といった辛口の投稿があった。待遇についても「ネームバリューだけがあり、給料が追い付いていない」との口コミも。
6位のJR四国では「四国は全体的に車社会で、鉄道事業は厳しい」と経営環境の悪化を指摘する声があった。給与に関しては「他の鉄道会社に比べても低過ぎる。モチベーションを維持できない」という投稿があった。
JR各社の従業員の口コミから浮かび上がるのは、コロナ禍による業績の悪化で、待遇面での不満がたまっているという現実だ。また、JR東日本のように「脱・鉄道」路線を推し進める企業でも、今後の方向性に不安の声があることも明らかになった。JR各社は、従業員の働き方や待遇を見直しながら、成長に向けて走る必要に迫られている。
Key Visual&Graphic by Kaoru Kurata




