JR東日本 脱・鉄道への分岐点#2Photo:bloomberg/gettyimages

鉄道会社はインフラ企業として公益性が高く、経営も比較的安定しているのが特徴だ。では、鉄道会社を支える従業員の働き方や待遇の実態はどうか。特集『JR東日本 脱・鉄道への分岐点』(全5回)の#2では、企業の与信管理を支援するベンチャーが集めた口コミデータを基に作成した、JRグループ6社の働き方や待遇に関する従業員の不満が多い“ブラック度”ランキングを紹介する。口コミからは鉄道業界特有の慣行や、JR各社の特色が浮かび上がった。(ダイヤモンド編集部 梅野 悠)

JR6社のネガティブ投稿を収集
口コミで見えてくる各社の社風

 JRグループの旅客6社は、1987年に日本国有鉄道(国鉄)が分割民営化して誕生した。エリアごとに分割された6社は、事業規模や注力分野などが異なるものの、交通インフラとして各地域を支えてきた。

 近年こそ、東京大学法学部卒が当たり前で“エリート集団”だった国鉄時代とは趣を異にするものの、特に本州の主要3社はインフラ企業ならではの高い公共性や抜群の安定性に対する憧れから、大学生の就職ランキングなどでも上位に入ることが多い。

 では、JR6社の働き方や待遇に関して従業員はどう感じているのか。ダイヤモンド編集部は、企業向けに与信管理サービスを提供するベンチャー企業、アラームボックス(東京・新宿区)のデータを基に、JR6社の働き方や待遇に関する従業員の不満が多い“ブラック度”ランキングを作成した。対象期間は2022年1月から23年8月下旬まで。

 次ページでは、不満投稿数のランキングを公開するほか、主な投稿内容を紹介する。事業規模が大きい企業ほど投稿数が多くなる傾向はあるものの、ランキングからは鉄道業界特有の労働慣行や各社の特色なども浮かび上がる。ランキングの2位にはJR西日本が入った。また、中には「高熱だろうが這ってでも出社」という投稿もあった。