JR・私鉄「全国376路線」ランキング#1Photo:PIXTA

赤字が続く鉄道路線の存廃について、国主導でにわかに議論が進み始めた。コロナ禍で体力を大幅に削られたJR旅客6社。特集『JR・私鉄「全国376路線」ランキング』(全13回)の#1では、JR各社の「全176路線」について、廃線危険度を独自試算でランキングした。崖っぷちのワースト10にJR東日本から6路線も入った。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

にわかに強まる赤字路線への廃線圧力
あなたが住む沿線は大丈夫?

 あなたの街の鉄道は大丈夫?赤字続きの鉄道路線を巡り、にわかに存廃の議論が進み始めた。国土交通省の有識者会議は7月、1キロメートル当たりの1日平均旅客数を示す「輸送密度」が1000人未満の線区について、国と自治体、事業者が改善策を協議する仕組みを設けるよう提言した。さらに、これに前後するタイミングで、JR西日本とJR東日本がそれぞれ初めてローカル線の赤字額を公表したのだ。

 地方では「地元の路線がなくなってしまう」との危機感が強まっている。北海道の自治体関係者は「協議に乗ったら負けという雰囲気が出てきた。いかに協議に乗らないかが重要となり、今後、全国各地でJR側との神経戦が生じるだろう」と警戒する。

 そもそも、赤字路線の廃線につながる一連の流れの背景には、新型コロナウイルスの感染拡大で鉄道各社の経営体力が大幅に削られていることがある。

 そこでダイヤモンド編集部は、全国176のJR路線を対象に、輸送密度や2050年の推定沿線人口など四つの評価軸を基にして、独自に廃線危険度ランキングを作成した。あなたが住んでいる街の、あるいは思い出がある地方の路線は存続できるだろうか。ランキングで危険度を確認していこう。