ホーチキは安全・安心を提供する公共性の高い総合防災企業として100年を超える歴史を持つ。火災報知設備という、建物がある限りなくなることのない設備を基盤としたビジネスから 安定した収益を得る一方、次の100年の成長を見据えた人材投資やDX(デジタルトランスフォーメーション)投資を積極的に行っている。
ホーチキ
細井 元 代表取締役社長
細井 元 代表取締役社長
東京タワーと東京スカイツリータウン®──東京の観光名所でもある新旧の電波塔には、開業当初からホーチキの自動火災報知設備が採用されている。東京スカイツリータウン®の場合、施設全体に設置された感知器は約8000個。前例のない膨大な数の感知器を統合管理する複雑なシステム構築が要求された。その高度な開発・技術力のルーツは1918年、主に損害保険会社の出資により設立された火災報知機メーカー・東京報知機にある。この会社で製造された火災報知機は国産第1号(※)として、日本橋三越前の街頭に設置されたという。
本社別館にある歴史展示コーナー
安定した収益を生む
ストック型ビジネスモデル
東京証券取引所プライム市場に上場する同社の事業領域について細井元(はじめ)社長は、「主力の防災事業では、火災を見つけて知らせる『火災報知設備』と、火災を見つけて火を消す『消火設備』を提供しています。さらに防災事業の周辺領域である防犯領域にも進出しています」と説明する。
事業規模を売上高比率で見ると防災事業84%、防犯領域が含まれる情報通信事業約16%(2023年3月期)となっている。
※ 東京消防庁ホームページ「消防雑学事典」による