ホイール・自動車部品事業では、世界トップクラスの総合ホイールメーカーとして、乗用車、トラック・バス、建設車両など目的に応じたホイールを製造。同社は特定の自動車メーカーに属さない独立系として、ほぼ全ての国内メーカーと満遍なく取引をしており、メーカーからの高い信頼がある。また建設機械用足回り部品事業では、独自の熱処理加工技術を活用し、建設機械の足回り部品である履帯(クローラー)や履板、建設機械に装着する刃先部品などを生産している。
②自動車・産業機械部品事業で生産する乗用車・トラック・バスや建設機械用のホイールは、軽量で精度が高いと評価されている。EV時代を迎え軽量なホイールの需要は高まるばかりだ
③「トピーマイカ」は、鉄を造る技術を応用し、化粧品原料として実用化した。天然ものに比べ重金属類などの不純物を含まず安全といった特長がある
④足回り技術開発部で製造されるロボットは、階段や悪路を走る走行機能、水の中でも安定して走行できる水中走行性機能や遊泳性機能などを備え、幅広い用途に活用できる
他に新たな収益事業を目指す事業開発戦略センターのマイカ部では化粧品や塗料の基礎材料となる合成マイカ、同足回り技術開発部では探査ロボットや点検用ロボットなどの設計・製造・販売を行っている。
技術力強化のため社内に
新風を吹き込む人財を求む
創業以来100年間、同社は、環境の変化、時流の変化を見極めながら、製造現場では創意工夫を繰り返して、常に新しいことにチャレンジしてきた。「それを支えてきたのが技術力です。そこで次の100年を担う人財として技術力強化に資する人財を求めています」と立花常務。「それは社内に新風を吹き込む人財、チャレンジ精神を持つ人財、そして『百考は一行に如(し)かず』──考えるだけでなく、行動できる人財です」。
同社の「トピー塾」と名付けられた新入社員教育は、入社後約4カ月間で座学・合宿研修、現場実習、グループワークを経験。その後、入社3年目を迎えるまでは、新入社員一人一人に先輩社員が付くチューター制度によって業務や職場の不安・悩みをフォローする。立花常務は、トピー塾の手厚く実践的な教育内容をこう説明する。
「最初の1カ月は、モノづくりに対する教育──品質や生産管理を最適化するIE(Industrial Engineering)などの教育をしっかり行います。その上で現場実習を体験し、そこで学んだ事柄を基にグループワークに移り、先輩指導員の下で3カ月程度活動する。最後に活動の成果を経営陣の前でプレゼンします。このような一つ一つの体験が配属後の現場で役に立つのです」