“ドライな外資”ではない文化・システム
とはいえ、ケリー氏によると、まだ「誤解」も残っている。
仕事のできる人材を集めて短期での成果を求める──外資系企業に対して日本国内ではこうしたイメージが根強い。しかし、P&Gは“ドライな外資”ではないとケリー氏は語る。
「人を育てることに早くから力を入れてきたのがP&Gです。人の成長によって会社も成長するというのが私たちの考え方。当社では仕事のプロを育てることが文化として、システムとして定着しています」
新卒採用において、学業での専門分野やインターンの経験などを基に希望職種を選べる職種別採用を実施していることもその一つだ。内定者には入社半年前から社員がメンターとして付いて、会社や仕事に関することを学び、準備できる環境が整えられている。
P&Gジャパン
山崎洋満 人事部ディレクター
山崎洋満 人事部ディレクター
採用と育成を統括する人事部の山崎洋満ディレクターは明かす。
「入社前はビジネスリーダーとしての考え方にスポットを当てて研修を行い、入社後は配属1日目から権限のある業務を任せています。自ら考え、行動することがリーダーへの成長の近道だからです。若手に裁量を任せ、上司や先輩が親身にサポートする──。このような体制は当社のカルチャーであり、強みでもあります。実際、若手社員の洞察や発案からイノベーションが生まれることは多々あり、毎年の楽しみでもあります」