画像認識技術、ダイナミックプライシング、自然言語処理
小川社長が先進・先端技術を説明する。
「まず画像認識技術。入力された商品画像データを基に、ブランド・商品カテゴリーを特定します。最新のComputer Visionライブラリーと私たちが蓄積してきたブランド品データを組み合わせ、高い精度での特定を実現しています。鍵はデータのエラーを修正し正確性を高める“データクレンジング”。アナログでの蓄積がない会社、データの正しい入れ方=正規化の方法を知らない会社はデータクレンジングができません。アルゴリズム(計算手順)と現場の人の知識・知見を掛け合わせてAI学習用のデータを前処理した上で画像認識AIにデータを学習させ、ブランド品に特化した画像認識データベースを作成しています」
「次にダイナミックプライシング。入力された各種商品データを組み合わせて分析し、最新の市場価格を提示します。私たちが日本・米国・欧州・中国など世界規模でデータ収集を進め、管理している在庫情報・商品データベースを活用し、参照する商品価格データは常に最新のものにアップデートしています。機械学習により価格のブレを含む商品データから傾向をつかみ、商品の特定や最適・正確な査定を実現しているのです」
「そして自然言語処理。チャット上で入力される文章を解析し、鑑定や査定に活用できるデータに成形した上でシステムに取込みます。さらに、査定結果の提示や買取契約の締結なども、お客さまとの自然な応答の中で自動的に行います」
これらのテクノロジーにより、1枚の写真から数秒で商品属性情報を瞬時に判定するシステム・アプリが実現したのだ。一度も来店せずに、査定~売却~入金が完了するようになる日は近い。
同社の強みはこれだけではない。中古品売買に必須の本人確認やリスクヘッジ面にもある。
「海外は委託販売が大半ですが、日本には大きな中古ブランド品市場がある。そこで長年実際に商品の売買を行って培った膨大なKYC※1データを持っています。オンラインで行うeKYCも含めた本人確認業務、反社チェック等の背景確認、継続的な顧客管理などの面でもアドバンテージを持っている。また、例えば、中古のルイ・ヴィトンを買う顧客層の属性、消費行動や住んでいる地域も分かる。これは大きいのではないでしょうか」
※1 KYC=Know Your Customer 顧客を知る行為、本人確認手続きのこと