目指すのは、循環型社会の実現とSDGsの推進

 日本には丁寧に取扱われ、メンテナンスも行われた豊富な中古ブランド品資産が存在する。二次流通しているのはそのごく一部だ。昨今は“断・捨・離”需要を背景とした買取販売取引需要も拡大の一途。円安やインバウンド(訪日旅行)観光客の増加もある。そんな日本を起点に小川社長が目指すのは「循環型社会の推進強化」だ。

「冒頭で、家庭内に眠っている中古ブランド品資産の有効活用を促進したい、と述べました。窓口・店頭での直接買取りという基盤はある。それに加えて当社のシステム・アプリを活用した買取チャネルの拡大により、お客さまのモノ資産の可視化が進み、ひいては資産売却の機会が増えれば、GMV※2(流通取引総額)が増えて、循環型社会が加速します」

「例えば、お客さまは私たちのシステムを採用した金融機関で中古ブランド品を売却し、その資金で株や投資信託などの金融商品を買ってもいい。旅行会社で不用品を処分し、旅行券やエンタメのチケットに換えてもいい。真贋判定やKYCのノウハウは当社の蓄積をお使いいただけるわけです。さまざまな会社に私たちのシステム・アプリを採用していただき、顧客情報を共有して一緒に富裕層のクロスマーケティングを行う……。展望は広がります」

「AI査定の対象物を不動産や自動車などに広げることも考えています。銀行、証券会社、百貨店、中古車販売チェーン、旅行会社、通信会社。顧客が成熟し、次なるブレークスルー=購買の誘引策を考えている業界・会社は多いでしょう。API※3接続による査定対象品種の拡大と、当社のチャット型AI買取査定システムの提供先拡大により経済が循環し、持続可能な社会が実現する。SDGs促進の一助にもなればいいと考えています」

※2 GMV=Gross Merchandise Value 流通取引総額。モール型EC(電子商取引)サイトやアプリなどのプラットフォームにおいて顧客が購入した商品総額のこと
※3 API=Application Programming Interface 境界線や接点を用いてアプリケーションをつなぐ機能。異なるソフトウェアやプログラム、ウェブサービスを連携させられるようになる

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株式会社 大黒屋
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