会計ソフト「会計王」で知られるソリマチ。ユーザー数は36万社を数え、2024年度に創立70周年を迎える。無借金経営を貫く同社は23年度、グループの組織を五つの「Tech」に再構成。事業や人材の最適化を図り、現状維持から進化へとかじを切った。生成AIも積極的に導入。若手を抜てきしながら、業界のファーストペンギンを目指す。

ソリマチ
反町秀樹
代表取締役社長CEO

 東京・大手町のフィナンシャルシティ金融ビレッジに本社を置くソリマチは、新潟県長岡市の「反町税務会計事務所」からスタート。小規模事業者向けのパソコン会計ソフト「会計王」の大ヒットで全国区になった。その後も個人事業主や小規模事業者に丁寧に向き合いながら事業を拡大。常に業界の先端を走り続けている。

ソリマチイメージキャラクターの松岡修造さんとの新CM発表会

 2024年度に創立70周年を迎えるにあたり、昨年、ソリマチグループで大幅な組織改革を行い「5Tech」体制を整えた。

「これまでは事業別、顧客別にサービスを提供してきましたが、それを追求すると顧客の要求を満たすことだけが目的となり、マーケットが広がりません。“安定の先には衰退が待っている”。そうした危機意識があったので、顧客別ではなくテーマ別の組織につくり変えたのです」

 そう説明するのは、同社の反町秀樹代表取締役社長CEOだ。