障がい者の雇用が進んだ企業として知られる日本生命保険(以下、日本生命)は1993年、特例子会社「ニッセイ・ニュークリエーション(NNC)」を大阪市西淀川区に設立した。障がいという多様な個性のある社員が活躍するNNCは30周年を迎え、日本生命に欠かせない会社に成長した。

30周年を迎えた特例子会社で培った、障がい者雇用の知見を広く社会に発信御幣島(みてじま)本社で働く社員の数は425人(障がいのある社員375人)※2023年4月1日現在
30周年を迎えた特例子会社で培った、障がい者雇用の知見を広く社会に発信日本生命人事部 本店人事グループ
水上信代
障がい者雇用推進担当課長

 生命保険の、共存共栄・相互扶助という精神を脈々と受け継ぐ日本生命。障がい者雇用に対しても「日本生命では社会的使命として、前向きに古くから取り組んできました」。そう話すのは、同社で障がい者雇用を推進する水上(みずかみ)信代課長だ。

 1993年には保険業界で先駆けとなった特例子会社(障がい者雇用に特別の配慮をした子会社)「ニッセイ・ニュークリエーション(NNC)」を設立。2007年には、障がいのある人への合理的配慮を一層行き届かせる観点から、「サポートパートナー」(正職員)という障がい者雇用職制を新設。現在では、本店本部や47都道府県の支社で600人弱の職員が活躍している。今後も障がいのある人のさらなる活躍に向けて各種体制整備を推進していくとともに、本社やNNCがこれまで培ったノウハウを積極的に社外に発信し、「障がい者雇用に関する理解浸透にこれまで以上に貢献していきたい」と水上課長は将来に目を向ける。