業務第一部
相井弘幸
部長
では、NNCはこの30年間で、どのように成長してきたのだろう。創立時からのメンバーの一人で、車いすを使う、業務第一部の相井(あいい)弘幸部長は、「創業時からの経営理念である『障がいのある社員が活き活きと働き続けられる会社を目指すこと』という軸は30年間ぶれることがなかった」と振り返る。NNCが30人規模でスタートした創業当初は、コミュニケーション不足から社員同士の“衝突”も起きたが、会社に解決を任せるのではなく自分たちで解決しようという機運が高まり、自主的に手話推進委員会、マナーアップ推進委員会などが次々と立ち上がった。この前向きな社員の姿勢がNNCの伝統であり強みだ。
相井部長は現在、約230人(障がいのある社員215人)の部下を持ち、顧客(契約者)の住所確認や本人確認という、保険業務に不可欠な約50種類の事務を受託する部門を率いている。日常の業務の中で感じることは、「社員それぞれの個性を生かせる制度や仕組みを作る必要がある」ということ。「能力の高い社員も増えており、昇格に限らず、手当等も含めた施策など幅広く検討したい」。外部からはすでに実現しているように映るが、NNCは理想をもっと高いところに置いている。
経営企画部 SDGs推進チーム
杉本真維
主任
そんなNNCには、見学希望や研修依頼が引きも切らない。その数は年間1000人を超える。見学の案内役を務めるのは経営企画部SDGs推進チームの杉本真維主任だ。「NNCでは、日本生命が選定したSDGsの10ゴール(優先課題)とNNCならではの貢献を果たすことができる5ゴールを定めています。例えば見学・研修の受け入れは、『4:質の高い教育をみんなに』と『8:働きがいも経済成長も』に当たります」。社内ではSDGsに対する関心も高く、委員会活動の中で地域清掃ボランティアや地域ボランティア団体活動への参加など幅広い地域貢献活動を行っている。
重度な障がいがあり車いすを使うという杉本主任は、職場見学に、ある願いを込めている。「バリアフリーのオフィスの中で働く私の姿を見ていただくことで、障がいを理由に就職を諦めていた人に届くものがあるかもしれません」。
「障がいのある人に必要な配慮や設備は、障がいのない人にとっても有意義なもの」(杉本主任)――NNCが30年間培ってきた、お互いの障がいを理解し支え合う精神に基づく貴重なノウハウは、今、日本社会全体でも必要とされているものかもしれない。
日本生命保険相互会社
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URL:https://www.nissay.co.jp 日本生命は1988年にCI(コーポレートアイデンティティー)を導入してコーポレートマーク「センチュリークリスタル」を制定。左の赤色は日本生命、右の黄色はニッセイ・ニュークリエーションを表す