地元に利益を還元
日帰りバスツアー
田倉社長は、自社の個別の事業を連携させ、独自のツアー開発を進めている。インバウンド向けには、ワールドワイド販売網「OTA(オンライン旅行代理店)」と自社海外子会社の販売システムを連携して集客する仕組みを構築し、月間約1万2000人の日帰りバスツアーに参加する訪日客を集客している。他社と差別化をするためにバスツアーで重要とされるバスを自社で運行し、自社ツアー専用のレストランを設置して、その土地でしか食べられない食材を使って料理を提供している。
京都、岐阜・白川郷、山梨・河口湖に自社レストランを設けているが、今後はさらに拡充を図り、拠点を増やす準備をしている。新たな取り組みとして自社ツアーの専用イチゴ農園として「Berry Berry Berry」 を2020年埼玉県加須市に設置。あくまでも自社集客にこだわり、IT集客システムに注力して、高速バスや国内ツアーバス、インバウンドツアーバス、宿泊を連携した集客の仕組みを作り、より多くの外国人が安く気軽に、そして便利に訪日旅行を楽しめる仕組みを作る。
高速バス「VIPライナー」のコンセプトは"移動する宿泊施設"という位置付けだ。出発・到着地にラウンジ(VIPラウンジ)を設置し、バスに乗車前後のサービスとして「シャワー」「着替え」「化粧」ができる施設とした。バスをホテル=寝室とすることで、これら全てのサービスを通して「宿泊」を演出。さらなる旅の快適さを追求し、現在は実際にゲストハウスなどの宿泊施設も運営している(名古屋、東京・浅草、大阪)。
「農園で収穫した完熟イチゴはバスツアー中に車内で販売したり、特殊な冷凍機で新鮮なまま保存してジャムの材料にしたり、ホテルわさび 浅草&カフェや大阪・難波の『Cafe & Hostel きみといちご』に送ってスイーツとしても提供しています」と田倉社長。自社のツアーバスに載せて運ぶため輸送コストもかからないエコシステムができている。