井田晶也
取締役社長 兼 COO
ITにまつわるハード・ソフト・サービスを提供するサードウェーブ。創業40周年を迎えた2024年8月、井田晶也氏が社長に就任。新社長は同社をどう導くのか。
―― 今年6月の記者会見で8月の社長就任を発表したときに、「Future Unleashed(未来を解放する)」を掲げました。この言葉に込めた思いとは?
井田社長 当社のミッションは「人々の創造活動の可能性を最大限にする」です。製品が単純な道具としてではなく、お客さまのパートナーとして、創造活動に貢献できることを願って定めたものです。それを踏まえて、製品を通じてお客さまの未来の可能性、潜在力を解放したいという思いを「Future Unleashed」に込めました。同時に当社自身の未来の可能性、潜在力を解放するという意味も込めています。
―― これまでのコンシューマービジネスに加えて、コマーシャルビジネスの強化を打ち出しました。競合他社に対する御社の強みは?
井田社長 当社はパソコンを小売りするだけでなく、お客さまの要望に応じてカスタマイズしたり、特定の用途向けにテーラーメードしたりすることが得意です。スクラッチ(最初から新規)で作ることもできる。この強みは、コマーシャル市場において、今後最も求められる要素です。
日本のコマーシャルマーケットは堅実な成長を続けていますが、その中でもまずは映像関連、AI研究・開発、ゲーム開発、DX(デジタルトランスフォーメーション)ハイスクールや大学の研究室といった教育分野を当社の法人向けパソコン「raytrek(レイトレック)」で開拓していきます。
―― 事業の軸足をコマーシャルへ移すということですか?
井田社長 不易流行という言葉がありますが、変わるところと変わらないところがあります。変わらない部分は、ゲーミングパソコンの分野で確立した確固たるポジションを継続していくこと。eスポーツへの取り組みも不断です。パソコン専門店ドスパラも現在全国に47店舗を展開していますが、さらに増やしていきます。「流行」の部分はコマーシャルビジネスに力を入れることと、当社の思いやプランを外に向かってトランスペアレント(透明性高く)に発信していくことです。