実益主義の伴走を行う
コンサルを新たに設立
――ビジョンの実現に市場の期待も高まるところですが、具体的な成長戦略は。
佐上 大きく二つあります。まず成長エンジンの一つに据えているのが、23年10月に設立した総合コンサルティングファームであるクオンツ・コンサルティングです。主に大企業向けに、IT化・DXの推進サポートや、各種戦略の立案などを行っています。
クオンツの最大の強みは、「事業会社発」のコンサルファームであることです。当社グループはM&A総研において、M&A仲介という属人的な産業を、テクノロジーの力によって改革してきた実績があります。
実際に、改革の成果は業績にも表れており、当社グループの利益率や成長率は業界大手の平均を大きく上回っています。24年9月期第3四半期の営業利益率は55.0%、売上高成長率は101.5%増でした(いずれも連結、前年同期比)。
――クオンツの強みを生かして、どのようなサービスを提供していく考えですか。
佐上 「事業会社発」のコンサルファームとして、実益を生み企業価値創造につながる施策の提案や実行支援を行います。
創業以来培ってきた、テクノロジーを活用したコンサルティングにも自信があります。これらの知見を生かし、IT・DX推進、AI導入、業務効率化、戦略策定、M&A支援、営業支援など幅広いサービスを提供します。産業別では、金融のノウハウにも精通していることから、金融×コンサル領域で質の高い価値を提供できると考えています。
シンガポールに拠点設立
日本企業の海外M&Aを支援
――24年9月にはシンガポールに現地法人を設立しました。
佐上 二つ目の成長エンジンがグローバル展開です。
当社初の海外拠点となる現地法人「M&A Research Institute Singapore Pte. Ltd.」を9月、シンガポールに設立し、10月から事業を開始しました。国内のM&A市場も活況ですが、さらにクロスボーダーの案件のニーズが高まっており、国内外のお客さまからの引き合いも増えています。シンガポール現地法人はこれらにお応えするものです。
まずは、ここを当社グループの海外市場における中心拠点とし、さらには、アジア、北米、欧州などへ事業を広げていきたいと考えています。
――グローバルに活躍の場を求める日本企業の価値向上にも寄与することになりますね。
佐上 海外に目を向ければ、日本企業にも大きなチャンスがあります。日本の企業はグローバルでも評価されており、日本企業によるM&Aを望んでいる海外企業も少なくありません。
これまでは英語の問題もあり、なかなかマッチングが行えませんでした。当社グループのM&A仲介サービスの品質は海外の競合企業と比較してもトップレベルだと自負しています。これらを存分に活用し、多くの日本企業に世界の舞台で成長してもらい、企業価値向上の一翼を担いたいと願っています。
株式会社M&A総研ホールディングス
設立/2018年10月
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館17階
TEL:03-6455-5875
https://masouken.com/holdings