“理系思考×創造性”が次世代を開く!ものづくりの名門・住友重機械が本気で挑むSTEAM教育「ミライの学校」の中身

「こんな未来を実現したい」と考え、工作で形にする――。そんな体験ができる小学生向けのワークショップ「やさしいミライの学校」が、住友重機械工業によって2024年9月に開催された。長くものづくりに携わってきた住友重機械が、当ワークショップを企画した意図や、こだわりのプログラム内容などについて追った。

子どもたちにSTEAM教育の機会を!
製造業における“逸材”育成の重要視点とは

「未来について考え、新たなものを生み出す力や、試行錯誤を重ねることのできる強い心を育む良いきっかけになりました」「自分が子どもの頃にもこういう企画があったら、未来について考えることが増えて良かったのになと思います」

 2024年9月、住友重機械工業が愛媛県新居浜市で開催した「やさしいミライの学校」に参加した小学生の保護者たちは、人を思いやり、未来を自ら創ることの重要性に思いをはせながら、当企画に対する感想をそう口にした。

 やさしいミライの学校とは、理数教育に創造性教育を加えた「STEAM教育」の場を提供し、課題を発見したり、未来を創造したりする能力を育成しようと、住友重機械が23年から始めた小学生向けのワークショップだ。

「人や社会のために、こんな街や暮らしを実現したいな」という、優しくて自由な発想を子どもたちに促し、思い付いたアイデアを工作で楽しく形にする体験型のグループ講座である。

 近年では小中学校でプログラミングの授業が必修化されるなど、理系思考が重んじられるようになった。しかし、それを実社会における問題の発見や解決に生かすためには、問題の根底にはどんな原因があるのか、どうしたらもっと便利で優しい世の中になるのかといった「考える力」を養う機会も増やす必要がある。

 住友重機械は、その課題意識を起点として、やさしいミライの学校を企画した。「中長期的には、製造業の人材活性化にもつながる取り組みだと考えている」。住友重機械の荒居祐基執行役員は、企画化の意義を、そう熱を込めて語る。

 実際、住友重機械のSTEAM教育に懸ける思いは強い。というのも、STEAM教育が向上を目指す子どもの能力は、ものづくり全体の未来の可能性を広げる原動力となるものだからだ。それは、130年超の長きにわたり、ものづくりに携わってきた住友重機械の歴史を振り返れば明らかである。