【ソファちゃんのこぼれ話】
「治癒を諦めない」
「絶対に病気を治す」
そう思って治療に挑む方がいらっしゃるように
「何もしないで欲しい」
「もうやめて欲しい」
「私は苦痛だけを取り除いて、何も我慢せずに過ごしたい」
と思って療養されている方もいらっしゃいます。
この本は、全体的に後者の考え方をする人物が多く登場しています。
「治療を諦めるなんて」
「命があれば何だってできる」
という考えも正しい一方で「今のままで」という生き方も正しい。
1人の看護師としては、「患者さん自身が納得できる生き方に少しでも近づくこと」が理想です。
でもこれがなかなか…「理想」というだけあって、その通りにはならないこともしばしば……。
たとえば、患者さんの気持ちとキーパーソン(患者さんが話せない状況になった時や、判断能力が低下してしまった時に、代わりに意思決定をする人。主に家族や内縁の方、後見人など)の気持ちが別にある時です。この時のキーパーソンが、新人看護師の頃の私には「ご本人の意思に背く敵」であるかのように見えてしまったことがありました。この場合のキーパーソンは敵なのか? 今は「違う」と心から言えます。新人の時は、患者さんだけしか見えていなかったんですよね(お恥ずかしいですが)。
何度話し合っても、患者さん本人と家族の意見がすり合わされず、結局ご家族の意見を通すという場面は看護師をしているとよくある場面です。SNS上では訴訟に発展させないためにご家族の意見を優先させている、という意見を目にすることもありますが(その側面があることも否めません)、「生きること」を決定するって、あまりにも残酷で大切なことだから、その時々の状況によって、ままならないこともありますね…。物語の中で、ゆうなちゃんは患者さんと家族(キーパーソン)の橋渡しをする役割りを担っていました。真美さんと五郎さんは、みなさんの目にどう映りましたか?
>>コラム『「最期」を迎える患者に看護師が聞く「踏み込んだ質問」』につづく
◆本マンガの作者・ソファちゃんの新刊が発売中!
『命の終わりはだれが決めるのか』 ソファちゃん著 諸岡真道監修 日本文芸社刊 1870円(税込)あなたは、どんな最期を迎えたいですか?
いつか死んでしまうとはわかっているけれど、
自分や大切な人の人生の最期が近づいてきたときに
どんな「選択肢」があるかは、意外と知らないものです。
いざ、大切な人がこの世からいなくなってしまうとなると
その「死」と向き合うことは、
想像以上にシビアで、冷静に考える余地もなく選択してしまうご家族も少なくありません。
この本では、現役看護師であり、イラストレータ&漫画家のソファちゃんが
命の終わりに関わる現場で働く人たちに取材を行い、
人生の最期に向き合うことになる医療的な選択肢や
最期を過ごす場所、家族にできることなど
「その人らしく」生きる人たちを描きました。
この本に正解はありません。
「看取り」と聞くと、
まだ先のことだと思っているかた、
いまはまだ考えたくないと思っているかた、
考えないといけないと思っているけれど、何からはじめればいいかわからないかた、
身近な人には相談しにくいと感じているかた、
いままさに、選択が目の前にあるかた、
すべての人にとって
「人生の終わり」を考えるきっかけになればと思って描いた一冊です。
知らなくてもいいことかもしれないけれど
知っておけば、違った選択をするかもしれない。
どう生きるか、どんな人生の最期を迎えるか、考えてみませんか。



