在庫状況をリアルタイムで見える化
在庫削減や欠品防止、納期厳守などに効果
FutureStageの導入効果は在庫削減や欠品防止、納期厳守などさまざま。森氏はある導入事例での効果を次のように紹介する。
「ある製造業のお客さまは表計算ソフトベースからFutureStageでの生産管理システムに切り替えて、在庫の精度が大幅に向上したと聞いています。また、二重入力がなくなり業務の効率もアップしたとのことです」
在庫状況をリアルタイムで把握できることによる効果は大きい。また、最近は多くの企業で内部統制の観点が重視されるようになったと森氏は言う。
「親会社や取引先から厳格な内部統制を求められるケースが増えており、FutureStageはそのための機能も充実させています。一例を挙げると、不正アクセスを防止する機能、承認者を明確にする機能などです」
FutureStageの生産管理システムを導入する際のプロジェクト期間は、自社向けのカスタマイズを行わなければ4~6ヵ月ほど。カスタマイズを実施する場合には、その程度にもよるが、長い場合で1年ほどかかるという。
「カスタイズをしなくても、運用を工夫することで対応できる場合もあります。プロジェクトの中でお客さまと議論を尽くしながら、より適したな導入方法を検討しています」と森氏は話す。
プロジェクトの過程で深い議論を通じて
全社的な視点を持つ人材が育つ
通常の導入プロジェクトでは、顧客企業と日立システムズの両方からそれぞれ3~5人程度が参加する。そして、業務とITの面から議論を深めながら、プロジェクトを推進する。
「お客さま側の参加者は、通常業務との兼任という場合が多い。それぞれが担当部門の業務に精通する中堅幹部です。こうした方々と当社SEが一緒になってプロジェクトを進める、その過程に大きな意味があります。『業務の流れは本当にこれでいいのか』『どこに予算をかけるべきか』『自社の強みはどこにあるのか』といった深い議論を通じて、お客さま自身に、自社の事業や会社そのものへの再発見があったり、知見やノウハウが蓄積されていくのです」(上野氏)
メンバーが自分の担当部門の都合だけを考えていたのでは、プロジェクトは前に進まない。他部門の業務にも十分配慮しなければならず、それまで以上に全社的な視点で考えるようになるようだ。
「プロジェクトで経験を積んだ方々の多くが、その後、社内で大いに活躍されています。そんな姿を見るのは、私たちにとって大きな喜びです」と上野氏。ものづくりを支える生産管理システムは、企業の将来を左右するほど重要な仕組みだ。そのためのプロジェクトをともに進めるパートナーとして、日立システムズは顧客企業を全力でサポートする考えである。