業務プロセスと文書管理が
紐づくことで生まれる新しい価値

 では、ビジネス文書を管理するというニーズに対応するためのITの要件とは、どのようなものだろうか。

 まず、コストの観点で求められるのは、文書の変更管理、差分のみを保管できることだ。重複回避はITリソースの節約にもつながる。リスクの最小化という観点では、厳格かつ柔軟な権限管理や文書の消失を防ぐための機能などが求められる。部課単位でしか権限を付与できないシステムで、部門横断型のプロジェクトの文書を管理しようとすると権限管理が甘くなりがちである。一方、活用度を高めるうえでは、検索性やコラボレーション、スマートフォンなどを含むマルチデバイスへの対応なども重要だ。

 SAPが提供する統合コンテンツ管理ソリューション「SAP Extended Enterprise Content Management(SAP xECM)」は、これらすべてをカバーするだけでなく、プラスαの価値を提供してくれる。それは、業務アプリケーションとの連携である。業務プロセスの中にビジネス文書の登録・活用を埋め込むことで、業務の効率化や業務品質の向上が期待できる。世界中の多くの企業に対して、ITで業務プロセスの最適化を支援してきたSAPならではの価値提供といえるだろう。

 代表的な導入事例の1つが、整備マニュアルなどの文書管理を厳格化したベルギー国鉄である。同社は整備記録と整備マニュアルを紐付けて、「このときの整備は、どの整備マニュアルに則って行われたか」をマニュアルのバージョンを含めて把握。整備状況を可視化するとともに、高いレベルでの規制対応も実現した。証憑の電子化により経理業務の可視化、効率化を実現した武田薬品工業の事例もある。

 ほかに、設計や生産の現場における人材育成でも、多くの導入効果を上げている。例えば、システムが業務プロセスの中で必要な文書を参照しやすい形で適切に提示する仕組みを構築すれば、技術者は適切な文書を適切なタイミングで読むことができる。これが、人材育成のスピードアップに寄与するのだ。ベテラン技術者の技の伝承に悩む企業の中には、こうして課題解決への突破口を開いた例も多い。

 価値ある文書がサーバの中で埋もれているのはもったいない。そこには、新たなビジネス価値を創出するための、先輩たちや同僚たちのノウハウと知見が詰め込まれているのだから。

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