インターンシップによる
マッチングに期待

 牧野事業部長は、「大学、企業共に、インターンシップに期待する傾向が強まっています」とも指摘する。

 レジェンダの調査によると、インターンシップが学生と企業のマッチ度向上に役立つと考える企業は77.4%に上る。学生側でも82.3%が役立つと回答した(図1参照)。

 自校の学生をよりふさわしい環境に送り出したい大学側と、じっくりと学生を見極めたい企業側の意図が合致したところで、インターンシップがより重みを増しているわけだ。実際に、「現在進行中の14年入社予定者の動向を見ると、インターンシップを経た内定率が高まっているようです」と、牧野事業部長は感じている。

 学生にとってインターンシップは、単なる就業体験とは異なり、企業活動の実際を知り、社会人としての責任ある行動を体感する貴重な機会である。

 企業側では職場の実情を理解した学生にこそ、志望してもらいたいとの願いがある。インターンシップでは、大学側である程度条件を絞って厳選した学生が派遣されるわけで、期待もより高まるわけだ。

 その一方で、企業からは課題も指摘されている。学生を受け入れるには、どうしても業務にしわ寄せがいくことになり、取引先との調整など、負担が大きくなることを懸念する企業が少なくない。

 これらの課題をクリアするには、キャリア教育全体の中でのインターンシップの位置付けが問われそうだ。事前の準備や事後の振り返りなどを含め、学生の成長に寄与しているのか。また、実際の就職にどれだけ結び付いているのか。成果を測定した上で、企業と協力しながら、プログラムを充実していくことが求められる。

 その意味では、大学のキャリアセンターの役割も見逃せない。「インターンシップや就職セミナーなどを効果的に活用して、大学と企業の距離を縮めることにキャリアセンターの存在価値があります」と、牧野事業部長。

 多様なプログラムを通じて、企業と学生の出会いの場面を多面的に創出する大学こそ、キャリア支援の充実した大学ということができそうだ。