とはいえ、「市場が拡大しているから」「普通のアパートでは収益が見込めないから」といった理由で安易に参入するのはリスクがある。注目市場故に競争も激化しているからだ。

積水ハウス 医療・介護推進事業部
事業部長 深谷康壽氏

「サ高住では、生活者のニーズに応じて、『住宅』と『サービス』の最適な組み合わせを提供することが成功の鍵。そのためには徹底したマーケティングが欠かせません」と話すのは、積水ハウス医療・介護推進事業部の深谷康壽事業部長だ。

 同社は累積213万戸を超える建築実績を持つハウスメーカーだが、医療系施設や介護系施設を建設することも早くから推進してきた。

 中でも医療・介護推進事業部は「高齢者の住まい」専門家集団として、市場調査から研究・開発・市場投入までトータルでのコンサルティングを提供している。

 地域の高齢者人口の分布はもちろん、既存の住宅の家賃、入居率などの市場調査後にコンセプトメイキングを行い、全体の事業計画を作成した上で、最終的には将来の収益をシミュレーションした綿密なプランを策定している。

 調査の結果、収益性が見込めないと予測された場合、土地オーナーが依頼しても計画の再検討を提案することも少なくないという。

*213万5437戸(2013年1月末現在)