決済にとどまらない
新たなビジネス展開に
最も活発な利用が見込めるスマートフォンの分野ではNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3社が11年12月、「モバイル非接触ICサービス普及協議会」を設立し、すでにNFC搭載スマートフォンは3社合計で31機種(8月1日現在)が販売されている。そしてこの9月からは三井住友カードが対応する決済サービスVisa Pay Waveの発行を開始。決済にとどまらず現在地周辺の店舗の情報取得や割引クーポンの獲得などが可能となる各種サービスなども検討されている。いずれは海外旅行先でもスマートフォンをタッチするだけで電車やバスに乗車できたり、クレジット決済、現金の引出しなどができるようになるだろう。
こうした決済サービスの進化に伴い、取り組みが活発化しているのが、そこに集まるいわゆる「ビッグデータ」の有効活用だ。これは企業にとって新たなビジネスチャンスとなる可能性を秘める。
すでに首都圏では交通系電子マネーの履歴情報を分析して駅のマーケティング資料を作成、駅ナカや駅周辺に出店を計画している企業に販売する計画が進んでいる。データの個人情報保護の問題がクリアされ、利用者が納得・了解する形が整えば、決済サービスデータは企業の収益向上に直結する「宝の山」に変わるのだ。