保険代理店のグッドウインは、複数の保険会社の商品を扱い、それを営業活動によって販売する「訪問販売型総合代理店」と呼ばれるスタイルのビジネスを展開している。会社の仕組みと個々の営業社員の活動を有機的につなげ、社員のパフォーマンスを最大化しているグッドウインの取り組みについて、取締役副社長の梅津明美氏と常務取締役の大澤誠氏に聞いた。

「小さな経営」と社員のプロフェッショナリズム

──「訪問販売型の総合保険代理店」とは、どのようなモデルなのでしょうか。

グッドウイン 取締役副社長梅津 明美氏

梅津 複数の保険会社の商品から、お客さまにとって最適な商品を選んでご提供するのが総合保険代理店です。特定の保険会社の商品を売る代理店と比べると、多様化する保険へのニーズに応じて幅広い保険のプランニングができるメリットがあります。取引のある保険会社からは、とくに販売のノルマなどを課せられているわけではないので、あくまでもお客さまの立場に立ったプランニングが可能です。

 しかし、総合保険代理店でも「窓口販売型」と「訪問販売型」があり、この2つでは保険販売のコンセプトは異なります。

 窓口型は、「お客さまが来店するのを待つ」というスタイルです。このスタイルだと、代理店側からの営業活動を行わなくて済む一方で、店舗維持や来店を促すための広告宣伝のコストがかかることになります。一方、訪問型の代理店は、営業活動が個々の営業社員に委ねられるので、店舗維持費や広告宣伝費などを最小限に抑えることが可能になります。これが、私たちグッドウインのモデルです。 

──いわゆる「小さな経営」が可能なわけですね。

梅津 そのとおりです。現在、弊社には全国で800人強の社員がいますが、本社で事務機能を担っているのは、そのうち10人ほどにすぎません。残りはすべて営業社員です。本社オフィス機能のコストを抑えることによって、営業社員への利益還元率を高い水準に設定することが可能になっています。支社の社員が契約を取った場合、保険会社から支払われる手数料の95%がその社員の取り分(支社経費含む)となります。これほどの還元率は、保険業界の中でもかなり高い水準にあると自負しています。

──しかし、個々の営業社員に要求される水準は高くなりそうです。

大澤 もちろん私たちは、取り分にふさわしいプロフェッショナルとしての仕事を営業社員に求めています。しかしそれが営業社員のストレスとなることはないと考えています。 弊社の営業社員の多くは、保険会社やほかの代理店から移籍してきた人たちです。彼ら、彼女らが望んでいるのは、自分のこれまでの経験やネットワークを生かした主体的な営業活動を行うことであり、その結果が報酬にダイレクトに反映されることです。グッドウインならば、そのような働き方が可能なのです。