●3位 業務分掌の明確化
 業務量と人材配置が不均衡、役割・分担が不明確、業務が集中している部署がある、重複している業務がある。
 ・役割が決まれば責任が決まる。分担が決まれば権限が決まるのだが。

●4位 ドキュメント管理の改善
 ペーパーから脱却できないために、ドキュメント類の管理・活用がされていない。
 ・アウトプットしている「ドキュメント類の30 %以上」が無価値となっているが。

●5位 情報の共有化の推進
 ノウハウや情報、資料が共有されていない。それぞれが別々のフォーマットで作業している。類似する帳票もある。
 ・各々の推進している業務が「目で見えれば」解消できるのだが。

「うちのオフィスでも同じだ」と身に覚えのある人も多いのではないだろうか。以上の例から見ても、ホワイトカラーの業務がいかに非効率であるかがうかがえる。実際の「組織のメタボリック診断」では、直近10社の平均と自社の結果を比較して見ることで、より自社の課題への気付きが得やすくなっている。

 さて、これらの課題を把握できたとして、現場の部課長はどのようにして改善につなげればいいのだろうか。

業務を可視化し、現場が主役となって改善するツール

 その答えは「可視化」にある。まず業務を見える状態にすることだ。業務を目で見てわかる状態にすれば、ムダと課題に気づくことができ、贅肉を落とすことが可能となる。これまでこの「可視経営塾」の中で紹介してきた、業務プロセス可視化法(略称:HIT法)を使えば、業務の可視化を容易に行うことができる。HIT法は、業務内容を把握し、分析し、改善するための手法で、以下のような特徴を持つ。

(1) 業務の実態把握法を有して、目で見てわかる状態にできること
 HIT法では、まず日々の業務を細かい単位に分解し、業務の機能を体系化する。そのうえで各業務の工数(時間)を決める。さらに、図(チャート)で表すことで業務プロセスの流れを把握する。

(2) 業務を一人ひとりが分析し、アウトプットの有効性評価やムダに気づけること
 HIT法は管理職・担当者各自が主役となって業務プロセスの実態把握や分析に取り組むことができるので、ムダやリスクに気づきやすく、改善への意識が持ちやすい。

(3) 改善提案が活発で、実益を創出でき、生産性に寄与していること
 HIT法ではチャートを元にした、目に見えて効果のある改善提案書をアウトプットとして出すことができる。活動が進むにつれて改善提案が活発になる効果がある。