経営者はココに気付け!②
アルバイト採用を甘く見ていると痛い目を見る

 これまで一般的に行われてきた人手不足の解決策は主に2つある。まずはサービスの機械化。成功事例としてはガソリンスタンドのセルフ化がある。だが、全てに通用するかといえば難しい。例えば居酒屋でオーダーを機械化するためタッチパネルを導入しているところもあるが、広く普及しているとは言い難い。「おもてなし」を必要とする飲食や販売業にはなじみにくいという欠点がある。

 二つ目は主婦やシニア層の活用。社会人としての経験を生かした働きやスタッフ間の潤滑剤としての存在感が期待でき、活躍しているケースも多い。だが、主婦であれば子どもの発熱といった突発的理由による欠勤をカバーする態勢作り、シニア層なら働きやすい時間を調整するなど、独身の若者が働くものとは違うシフト作りといった課題もある。

 そこで、リクルートジョブズが新たに提案しているのが、「そもそもなぜ採用できずに人手不足になるのか」、その原因を分析し、浮上した問題に適切に対応するという考え方。つまり「採用決定のプロセスを可視化すること」だ。

 多くは店舗単位でアルバイトを募集し、店長が面接をして採用を決めている。この作業がいまだに、忙しい勤務時間の合間を縫った電話連絡、場当たり的な面接スケジュール調整といった具合にシステム化されていないことが多く、採用業務のミスが日常的に起こる状態になっているという。

 必要な人数が集まらず「6割充足、つまり10人必要な店を6人程度で回しているケースが圧倒的に多いのです」(金子氏)。しかし採用の現場の状況が可視化されていないために経営者には必要な情報が上がらず何が問題なのか把握できていない。むしろ「6割の人員で回るのならコストが抑えられて良い」などと放置してしまいがちなのだという。

 だが人手不足はサービス低下に直結し、客単価が落ちて企業の業績を押し下げる。また、従業員が過重労働となるなど、悪評の原因にもなりうる。ネットの掲示板やSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)で名指しされて炎上したり、不祥事が起こって株価が下落するなどの可能性も高くなるのだ。

 リクルートジョブズが提案する「採用プロセスの可視化」を実現するのが、同社が開発した「リクオプ」だ。この「リクオプ」は複雑な採用業務を定量化して分析できるシステム。具体的には、応募情報、求人状況、進捗状況など、求人から採用に関わる様々な情報が一目でわかるようになっている。
「応募情報」「求人状況」「進捗状況」「効果データ」がひとめでわかる『リクオプ』>>>

「リクオプ」で採用のプロセスを”見える化”することで、多くの問題が解決へ向かうという。