今、大学入試のネット出願が急速な勢いで普及し始めている。願書を郵送しないで済むネット出願は、受験生の利便性を向上させ、大学側の入試業務の手間やコストを削減する。日本電子計算(JIP)が提供する「SakSak出願」は、信頼度の高いインターネット出願サービスとして注目を集めている。
これまで大学入試の出願は、志願票に必要事項を書き込んで郵送するのが常だった。大学側はその志願票を受け取ると、手作業でコンピュータにデータを入力。志願票に記入ミスや記入漏れがあると、受験生に問い合わせて確認しなければならなかった。
「問い合わせの電話をしても、すぐに本人がつかまらないことが多く、不備内容の確認には非常に手間暇がかかっていた。規模の大きな大学になると、志願者の数は万単位。そのため入試の季節になると、入試センターの人員を増やすなど、大学側に多大な負担が発生していたのです」と語るのは、日本電子計算(JIP)文教営業部の笹目広光部長である。
入試業務のコストを
大幅に削減
文教営業部 兼 文教事業全店統括
笹目広光部長 日本電子計算 産業事業部
産業名古屋営業部
古川芳郎氏
JIPが開発した「SakSak出願」は、クラウドを利用したインターネット出願サービスで、こうした問題を一挙に解決する。受験生はインターネットに接続されたパソコンから志願情報を入力し、コンビニエンスストア・銀行ATM・クレジットカードなどで入学検定料を支払うと、出願申し込みが完了する。
ネット出願が特に優れているのは、記入ミスや記入漏れがあると、次の画面に進めないことだ。
複数併願割引などの複雑な検定料も自動計算され、“紙の志願票”で発生しやすい出願要件の入力ミスが撲滅されるのである。
「SakSak出願」にはさらに、ネット経由で志願者情報照会・検索を行う“ファイルサービス”、大学入試センター試験の得点を利用し、個別学力試験を課さない入試の受験生にはネットで受験番号を確認する“受験番号照会”、合否をインターネットで速報する“合否照会”などのサービスもある。まさに商品名の通り、導入すれば「サクサク」と入試業務をこなせるサービスなのだ。
「大学側のメリットは、願書の印刷代や郵送料をはじめ、記入された願書の確認作業を行うバックヤードの人件費など、入試業務のコストを削減できることにあります。ネット出願を利用した場合は受験料の割引をするところもあり、また、大学側の負担が減ることで出願期間を延長することもでき、ネット出願の志願者が増える傾向があります」(日本電子計算産業事業部・古川芳郎氏)
JIPの強みは、出願から合否照会までを一気通貫のサービスで提供でき、個人情報の管理がしやすくなること。また各大学の要望に応じて画面のデザイン変更など柔軟な対応ができること、導入後のアフターサービスがしっかりしているなどの特色がある。
長年の経験で培われた
ノウハウを投入
データ管理のミスが許されない入試業務であるが故、大学側にとっては業者の信頼性が問題になる。その点JIPは、システムインテグレータの先駆者で、入試業務では40年以上の歴史を持ち、確かな信頼性を誇る。
自治体をはじめ証券・金融、企業など幅広い分野にソリューションを提供し、取引先は約3500社。文教の分野では入試・資格試験のアウトソーシングサービスを提供し、2012年度実績で、大学入学試験受託および各種資格試験受託で90万人以上の受験生におよぶ。
「当社では、大学入試の他さまざまな資格試験業務に携わり、志願受付から採点・合格処理や結果分析に至るまで、試験業務のトータルアウトソーシングを提供してきました。長年の文教ソリューションで培われたノウハウが、今回の『SakSak出願』のサービスにも大いに生かされています」と胸を張る笹目部長。
同社では、インターネット出願サービスの拡大を図りつつも、将来的には出願から入学・卒業までをカバーする、安全で使いやすい教育システムのトータルサポートを視野に入れ、さらなる進化を目指す考えだ。