遠藤隆雄
ヘルスケア分野でイノベーティブな医療サービスを提供するGEヘルスケア・ジャパン。川上潤社長は、質の高い新たな医療提供システムの構築を先導するイノベーション創出に日々取り組んでいる。片や、医療、エネルギー・環境、交通・輸送、機械・設備、教育などあらゆる分野で、日本の環境に合わせたITによるビジネスイノベーションをけん引する日本オラクル。両社のトップによるスペシャル対談・後篇は、医療における日本発イノベーションを実現するための取り組み「インタストリアル・インターネット」と「日本版EHR(医療情報連携基盤)」について語り合った。
インダストリアル・インターネットの衝撃
代表表取締役社長兼CEO
川上潤
川上潤 最近、GE会長のジェフリー・イメルトは、この先5年から10年をかけてGEはアナリティクスのリーダーになると宣言しました。実際、カリフォルニア州シリコンバレーにソフトウエア開発センターを設立するなど大規模な投資をしています。
イメルトは、自社の製品群に関して、データ分析から故障の予防保全ができると考えたのです。GEが提供するエネルギーやインフラに関わる機器においては、安定運用が何よりも重要です。顧客先で稼働するジェットエンジンやガスタービンからネット経由で収集した膨大なデータをGEのセンターで管理・分析し、不具合を予知して対処できれば、顧客には大きなメリットがもたらされます。
機器に高度なセンサや制御システムを搭載して情報化を図り、機器とそれらを取り巻く大規模システムを独自の予測アルゴリズムによりリアルタイムで監視しながら、データを分析して安全性やサービスの質を高める──GEが推進するインダストリアル・インターネットはこうして具現化されています。
遠藤隆雄 医療の分野でも、さまざまな機器とデジタルの連結が低コストという医療効果をもたらし、それはまたエネルギーの節減にもつながりますね。
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