世間では、東京オリンピック開催までの7年間を「黄金時代」ともてはやす向きもあるようだが、私はせいぜい頑張って「シルバー時代」、あるいはもっと苦しい時代が来るかもしれないと考える。少子高齢化が、購買層の縮小に直結するわけではないが、やはり住宅市場に与える影響は小さくない。
だからこそ、来春以降のマンションの価格設定を、材料費や労務費の高騰などに乗じて上げていくことは、やめてほしいと願っている。開発努力を重ね、何としても一次取得層が買いやすい環境は堅持すべきだろう。
同時に、インバウンドという「外からの風」を生かし、業界活性化により長期成長を支える基盤をつくってほしい。
マンション管理など
ソフト面の強化を
外国人が都心マンションを買って居住するケースが増えていけば、物件によっては管理を見直していく必要があるだろう。日本のマンション管理は、実はグローバル・スタンダードではない。これを機に、某国の誰某が居住しても気持ちよく暮らせるマンション管理という「ソフト面」を磨くべきだ。
維持管理状態を盛り込んだ物件情報が、もっとオープンになり、中古価格に反映されるようにしていくことも重要だ。高い価格で中古取引できるよう、皆が良好な管理に務めれば、個人の資産価値が維持されるだけでなく、国も自然と富む形になる。
こうしたことを、今、足元の着工数が伸びている時期に行い、来る消費税8%時代、そして10%時代に備えるべきなのだ。
日本のマンションは、建てる技術水準の高さには定評があるが、ソフト面はまだまだ高める余地がある。世界中の人が「日本のマンションに住みたい」と憧れる日も、決して夢ではない。
■この記事が収録されている「週刊ダイヤモンド」別冊 2014年1月19日号『これでカンペキ! 購入最新ガイド 2014新春』の詳しい内容はこちらからご覧いただけます。
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