消費者の店選びの条件が
変わり始めた

 そこで注目したいのが、消費者の間で、応対を重視する傾向が確実に高まっていることだ。2007年に行われた「第2回『外食の実態』」調査によると、行きつけの店の条件について、最も重要視するのは「料理の味」だが、2番目に挙げる条件が「雰囲気や接客態度」、3番目の条件が「価格」だという。しかもその2つの順位は、毎回の調査において変化がない一方で、「雰囲気や接客態度」と「価格」の差は、調査を行うごとに差が開いている。

 ここからわかることは「価格」よりも「店の雰囲気や接客態度」といったソフト面を重視する人が増えていることだ。逆に、二度と行きたくない店の調査においては、「接客態度が悪かった」ことが第一に挙げられ、行きつけの店の条件である「料理の味」と重要度はほぼ同じである。 

2007年NTTレゾナンド三菱総合研究所共同調査「第2回『外食の実態』」拡大画像表示
<データ:『接遇力』(幻冬舎 刊)より引用>
※参照データ:2007年NTTレゾナンド三菱総合研究所共同調査「第2回『外食の実態』」

 浜田氏は、こうした消費者の傾向について語る。

「生活環境の向上に従い、社会のあらゆる方面で快適さが求められるようになり、結果、以前は気にしていなかった応対に対しての意識が高くなり、同じ値段なら、気持ちのよい応対をしてくれるところを選ぶといった当然と言えば当然の消費者心理が強まったといえるでしょう」