一般的な分譲住宅とはひと色もふた色も違う、先進性を持った大型分譲が話題を集めている。場所はさいたま市大宮区。政令指定都市では珍しい125戸ものビッグプロジェクト、しかも全戸150平方メートル以上というゆとりで、他にも話題が満載だ。

設計者と研究者が
タッグを組んで街区開発

 埼玉、東京、千葉を拠点に一戸建ての分譲・注文住宅、リフォーム、仲介などを幅広く手がけるポラスグループ。今回、グループ企業のポラスタウン開発と中央住宅の2社により開発・分譲されているのが「大宮ヴィジョンシティ みはしの杜」だ。

 場所は市民の憩いの場、総面積10万3000平方メートルの三橋総合公園のそば。鴨川を挟んだ川向かいという緑豊かなロケーションで、川辺には桜並木が連なる。

 最寄り駅は14路線が乗り入れる便利な「大宮」駅。駅周辺の商業施設も充実しているとあって、開発当初から地域の話題を集めている。

中央住宅
戸建分譲設計本部
営業企画設計二課
野村壮一郎 課長

「ここは藤倉ゴムという会社の大きな工場跡地。開発に当たっては、旧工場のイメージをガラリと変えるため、あえて“環境”をテーマにした街づくりに取り組みました。ゆとりある美しい街区を育て、住まい手だけでなく地域の人たちにもオープンな街にしたいと考えました」(中央住宅戸建分譲設計本部営業企画設計二課・野村壮一郎課長)

 世界的な環境先進都市であるストックホルムのショースタッド地区などに学び、地域の特性を生かし、自然の力を最大限に生かした街区開発に取り組んだ。

 ポラスグループには、ポラス暮し科学研究所という組織がある。ここは建てるエリアの気象データを解析し、自動換気システムのオリジナル開発から住戸の1棟1棟の「窓の設け方」に至るまで、ハードとソフト両面から、このヴィジョンシティのプランに関与している。

「大宮ヴィジョンシティ みはしの杜」では、設計者と研究者がより緻密にタッグを組んだ。

ポラス暮し科学研究所
住環境G
野田将樹 係長

「ここは川沿いのエリアですから、川風が入ります。街区をどのように抜けていくか、住棟配置をさまざまに工夫しながら、解析を重ねました。このようなフレキシブルな街区設計は、ポラスグループとしても初めてのことです」(ポラス暮し科学研究所住環境G・野田将樹係長)

 夏は涼しく、冬暖かい。そんな理想の環境を築くために、水辺から届く自然な風の力を生かすのだ。シミュレーションの結果、夏場の平均気温は約2度も下がることがわかった。

 カーブを描く街区内道路を進めば、3種類のコモンガーデンが見えてくる。「石・丘・道」をテーマに天然石や木立で彩られる街並みは、外国の風景のように情感豊かなものだ。

太陽、風、雨水など自然の力をできるだけ生かすデザインを意識した街と家づくりが特徴。鴨川越しの風の流れが街区を吹き渡るように設計されている。1.8mという余裕の隣棟間隔を取り、風の流れに合わせ3つのコモンガーデンを配置。北には冷たい北風をブロックし、南には涼風を運ぶ植樹配置を加えた。優れた環境設計により、「大宮ヴィジョンシティ みはしの杜」は国土交通省の「平成25年度第1回住宅・建築物省CO2先導事業」に採択されている
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プールやテニスコートもある緑豊かな三橋総合公園(現地より徒歩8分・610m)