専門知識を持つ営業担当者
を育成する社内システム

──営業のあり方は、どのように変革したのでしょうか。

依田氏 かつての営業は、どちらかと言えば新規の顧客開拓に重点が置かれ、お客さま個々のニーズに充分応えられていたかどうか、若干心許ない部分がありました。

 現在は「コンシェルジュ営業」をキーワードに、お客さまからのあらゆるご質問やご相談に、きめ細かく、懇切丁寧に、しかも専門性を持って対応する営業を実践しています。

 そのような姿勢で営業に臨むことが、商品先物取引のファンを増やし、裾野を広げていくと確信しています。

──「コンシェルジュ営業」を実践するために、会社として取り組んでいることは何ですか。

依田氏 お客さまに「頼もしい」と感じていただける営業担当者を育成するための評価制度を設けています。経済や相場、テクニカルなどの専門知識はもちろん、コンプライアンスやマナーなどの勉強会を週2〜3回実施し、TOCOM(東京商品取引所)の検定や、ファイナンシャル・プランナー、テクニカル・アナリストなどの資格取得者に評価の加点を与える仕組みです。以前のように営業成績だけでは評価されないようになっています。

──最後に、今後の事業とビジョンについてお聞かせください。

依田氏 お客さまにより多くの取引機会を提供するため、年内にFXを開始する予定です。

 また、3月24日にTOCOMでスタートした、石油製品間のクラックスプレッド取引も興味深いと思います。これは例えば原油を売り、ガソリンを買うといった取引で、新たな参加者を呼び込むことになって、市場に彩りを加えるかもしれません。当社では、こちらも積極的に推進していく予定です。

 当社は今年、創立50周年を迎えます。記念すべき年の社是は「コンシェルジュ・フロンティア・チャレンジ」の3つをキーワードにしました。

 これからは国内市場だけでなく海外市場へも目を向けます。まずは進境著しいASEANに進出して、アジアの投資家の方が日本の市場に参加できるようにしたいと思います。そして、日本の商品先物市場の発展に微力ながらも貢献するために、当社だけでなく業界各社とも手を携えながら、次の50年を創り出していきたいと考えています。