石井 発毛育毛の専門医療機関であるメンズヘルスクリニック東京には、月間5900人以上の患者さんが来院されるとお聞きしていますが、どのような悩みを持った方が多いのでしょうか。

小林 一広  こばやし・かずひろ
医療法人社団ウェルエイジング メンズヘルスクリニック東京(旧 城西クリニック)院長/NPO法人 F.M.L.理事
1962年生まれ。北里大学医学部卒業後、同大学病院にてメンタルヘルスケアを中心に診療を行う。99年、日本初の頭髪専門病院として城西クリニックを開院。自身の専門である精神科に加え、皮膚科、形成外科、薬学博士などの専門医でチームをつくり総合的な頭髪治療を提供。現在の来院患者数は、月間で5900人におよぶ。

小林 来院されるきっかけも持っている悩みも患者さん一人ひとり、まったく違います。

「少しでも生えれば儲けもの」と気楽な感じで来られる方もいますし、反対に、自然な抜け毛を過度に意識しすぎて、治療を必要としない状態であるにもかかわらず、薄毛だと思い込んで来院される方もいます。枕に落ちている髪の毛を毎朝数えて、落ち込む方もいます。

石井 強迫性障害のようになってしまうんですね。

小林  昔から「気は心」と言いますが、私は常日頃から「毛は心」と言っております。毛髪の有無が人をポジティブにもネガティブにもさせてしまいますので。

 私は精神医学が専門なので、そういう精神的な部分のフォローも行いながら、頭髪の問題を解決するお手伝いをしています。

石井 来院されるのは男性だけですか? 女性も中高年になると薄毛の悩みをかかえる人が増えますよね。

小林 AGAは男性型脱毛症ですから、患者さんは男性のみです。女性の薄毛治療に関しては分院で行っていますのでそちらをご案内しています。