Key Word 3
大開口に高性能ガラス「人気設備」
現在、日本の住宅にはさまざまな工法が用いられ、メーカーごとに商品も多様だが、「どの工法や商品が際立って優れているといった差は、ほとんどありません。今は『100年持たせる』ことを前提にするので、最初に可変性が高く、メンテナンスしやすいことを考慮しておくといいでしょう。住んでからの満足度を大きく左右するのは設備の違いです」(櫻井氏)。
ここ数年、開発競争が盛んだったバス、トイレは現在、マイナーチェンジの時期に入った。エネファームなどエネルギー系の設備は今が伸び盛りだ。
「採用して良かったという声が高いのは、防犯効果が高い録画機能付きインターフォン。省エネ効果が高い防犯フィルム入り複層ガラス。最近は大開口が人気なので、窓には良いガラスを選んだほうがいい」と櫻井氏。
逆に「選ばなくて失敗した」というものの筆頭が、24時間換気装置のオプションになっている「全熱交換式」だという。これを付けないと外気温が室内に伝わるため、高気密・高断熱・24時間換気の利点が損なわれがちになる。
Key Word 4
家のロボット化が進む「エネルギー」
ハウスメーカー各社が競って売り出しているスマートハウス。国が普及に力を入れている低炭素住宅やネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)。名称は異なるが、要は「エネルギー効率のいい家」であり、「光熱費が安上がりな家」である。
「家のロボット化が進んできているのです。今ではエアコンも快適温度設定で自動的に送風したり風向きを変えるように、家全体も自動で小窓を開けるなどして風を通す形に進化。蓄電池に電気を蓄え、非常時にはそれを使えるだけでなく、『テレビとリビングの照明だけに絞り込むと12時間使えます』などと教えてくれます」(櫻井氏)
ただし、これらは当然オプションであり、「どこまで付けるか」は自分で選ぶことになる。
Key Word 5
最大350万円も!!「補助金」
家のエネルギー効率と費用対効果を考える際に大きいのが、「補助金をどこまで使えるか」だ。太陽光発電の普及を促してきた補助金は今年3月末で打ち切られ、代わりに新しいタイプの補助金が注目を集めている。
使える補助金で最も額面が大きいのは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスに対するもので、材料費・設備費・工事費の2分の1(上限は350万円)が補助される。ただし、この補助金は受付期間が短く、今年度は終了したばかり(公募期間は4月21日から6月6日まで)。補助金を使って「光熱費が安上がりな家」を目指すなら、建築のタイミングを狙って次回の公募に合わせるのも手だ。
「使いやすいのはエネファームに対する補助金。蓄電池やホーム・エネルギー・マネジメント・システム(HEMS)に対する補助金もあるので、どれとどれを組み合わせて使えるか、検討したほうがいいでしょう」(櫻井氏)
国の補助金と地元自治体の補助金を組み合わせることもでき、自治体の補助金も「都と区」のダブルで使える場合もあるから、詳細に調べてみたい。また、補助金は年度ごとに変わるので、最新の情報をチェックすることも重要だ。