従業員数が多いほど
コスト削減効果は顕著に

 その後、会社の成長とともに社員数は3倍の300人に増えたが、経費精算業務コストは372万円にとどまっている。仮に『楽楽精算』を導入しない場合にかかったであろうコストは年間1457万円。それが約4分の1に圧縮され、1085万円の削減効果が出ている。

「経費精算のムダは所要時間と人数の掛け算ですから、社員数が多くなればなるほど、IT化によるコスト削減効果は高まるわけです」

 09年に発売を開始した『楽楽精算』の導入社数はいまや約500社に達し、利用者数は5万人以上に上る。

「もともと社員数30~300人規模の中小企業向けにリリースしたサービスですが、先ほども述べたようにスケールメリットがあることから、1000人以上の企業にもご利用いただいています」

 導入企業の業種も、事業規模もさまざまだ。月額3万円から利用でき、初期費用も10万円と、低コストで導入できる点も好評だという。

 ユーザーからは、「5名で行っていた業務を2名に削減できた」などのコスト削減効果はもちろん、「面倒な業務が減り、本来やるべき仕事、質の高い業務に、より多くのマンパワーを割けるようになった」などの反響があり、導入した企業の満足度は高い。

 中村氏は「単純作業からは何の付加価値も生まれません。社員が苦痛な作業から解放され、本業により集中できるようになれば、企業の成長も加速されるのではないでしょうか」と話す。