離島に必要なのはネット販売より
医薬品を正しく使う情報提供だった
平山さんら薬剤師が五島市と共同で、小離島の住民向けの「おくすり説明会」を始めたのは、2009年の薬事法改正を受けた一般用医薬品のインターネット販売の実態調査がきっかけだった。
その翌年、長崎県薬剤師会は、五島市、東京大学と共同で、インターネットによる一般用医薬品の購入について離島や僻地で暮らす住民がどのような意識を持っているかを調査した。その結果、年齢層が高く、インターネットを利用していない人も多いため、離島の住民のほとんどはネットで医薬品を購入しておらず、その必要性も感じていないことが明らかになったのだ。
同時に、この調査を通じて平山さんが痛感したのは、「小離島の住民には医薬品を正しく使うための情報が行き渡っていない」ということだった。
薬は、正しく使えば病気やケガからの回復を助けてくれるが、誤った使い方をしたり、飲み合わせが悪かったりすると健康被害を起こすこともある。だからこそ、医薬品の使用に際しては、専門知識をもった薬剤師の介入が必要だ。
しかし、二次離島には薬局・薬店はない。身近に薬剤師がいれば得られる情報から、住民が疎外されているがわかったのだ。そこで、2012年から、長崎県薬剤師会は五島市などの協力を得て、二次離島の住民向けの「おくすり説明会」を開催することを決定。
「福江島の薬剤師が二次離島に出かけていき、医薬品の正しい使い方、飲み合わせの注意、おくすり手帳やかかりつけ薬局を持つことの重要性などを地域の集会所などでお話しする機会を定期的に持つことにしたのです」(平山さん)
その「おくすり説明会」は、今年で3年目を迎え、じわじわと島民の間でも浸透している。では、具体的にどのようなことが行われているのだろうか。7月27日に訪問した黄島、黒島での説明会の様子を紹介しよう。



