年収700万円の人なら約3万円の負担増!「高額療養費の見直し」再燃で、8月からどう変わる?写真はイメージです Photo:PIXTA

高額療養費の新たな見直し案が公表された。26年度予算案が成立すれば、この8月から、高額療養費の自己負担限度額は段階的に引き上げられることになる。『医療費の裏ワザと落とし穴』303回では、見直しの内容を詳細に解説し、実際にどのくらい負担増になるのかを試算した。(フリーライター 早川幸子)

多方からの強い反対によって凍結された
自己負担限度額の引き上げ

 1年前、国会を混乱に陥れた高額療養費の見直し問題を覚えているだろうか。

 2025年度の政府予算案に盛り込まれていた高額療養費の自己負担限度額の引き上げは、がんや難病などの患者団体の強い反発によって、何度も方針転換が繰り返された。ついには与党内部からも反対意見が出され、衆参両院で当初予算案が修正されるという異例の事態に発展。最終的に凍結されることになったのだ。

 その後、改めて高額療養費の見直しについて検討するために、厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会に「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」が設置された。

 この部会では、当事者である患者の代表を交えて、25年5月~12月にかけて8回に渡る審議が行われた。そして、12月25日に医療保険部会との合同開催で、専門委員会の取りまとめが公表されるとともに、自己負担額の引き上げ幅など具体的な見直し内容が明らかになった。

 新たな見直し案では、多数回該当の自己負担限度額が据え置かれることになったほか、高額療養費の年間上限額の新設、年収約200万円未満の人の多数回該当の引き下げなど、長期療養者や低所得者に配慮した内容となっている。

 だが、今回も自己負担限度額の引き上げを免れることはできず、26年度予算案が成立すれば、この8月から高額療養費の自己負担限度額は段階的に引き上げられることになる。

 私たちの負担はどのように変わるのだろうか。今回は、70歳未満の人の高額療養費の見直し内容を見ていきたい。