2012年度に製薬会社が医師や医療機関に提供した金額は、総額4410億円に上ることが明らかになった。巨額の資金の流れが判明したことで、今後はその関係も厳しく問われる。
新薬を開発する医薬品メーカーの業界団体、日本製薬工業協会(製薬協)が今年から「透明性ガイドライン」に沿って、医師や医療機関に支払った研究費や講演会の謝礼、接待費などの公表に踏み切った。
9月17日現在、製薬協の会員企業70社のうち公表済みの49社分を合計すると総額4410億円に達していた。
ちなみに2013年度の国の科学研究費(科研費)の予算額は2381億円で、製薬業界の資金提供は、49社分だけでも2倍近くに相当。70社分となれば、5000億円規模に上ると予想される。
次の表は総額の上位30社と主な費目ごとの内訳を示したものだ。なお各費目の合計は49社分の総額となっている。
これを見ると「A研究費開発費等」が全体の半分に上っており、新薬開発にいかにコストがかかるかがわかるだろう。