若者を中心にユーザーが増えているLINE。無料通話アプリサービスを展開している同社はここにきて、音楽配信とゲーム開発の新会社を設立したり、メガバンクと組んだ決済サービスに乗り出すなど、矢継ぎ早に新サービスを打ち出している。果たして、新サービスは利益という果実を生み出すのだろうか。(ダイヤモンド・オンライン編集部 津本朋子)

音楽配信やゲーム、決済まで
続々登場する新サービス

 2011年のサービス開始から3年で、登録ユーザー数が5億6000万人にまで増えたLINE。若者を中心に、今もユーザー数は増え続けている。一方、アカウントの乗っ取り詐欺が多発したり、子どもたちのいじめに使われるなどの問題も大きな話題となっている。良くも悪くも、LINEが生活の一部として浸透してきていることの証左だろう。

 そんなLINEが10月9日に開催した事業戦略発表会。先月末に上場延期を発表したにもかかわらず、千葉県浦安市の会場には多数の報道関係者や取引先などが詰めかけ、同社に対する関心の高さを改めてうかがわせた。

動機は焦りか、それとも利益化への布石か <br />矢継ぎ早にサービスを打ち出すLINE浦安市の会場にはメディア関係者や取引先などが大勢集結。幾つもの新サービスが発表された

 発表会では、幾つもの新サービスを発表した。音楽配信の分野では、ソニー・ミュージックエンタテインメントとエイベックス・デジタルの3社で「LINE MUSIC」を設立。また、ゲーム開発では、グリー、サイバーエージェントとそれぞれ共同出資会社を設立することを発表した。もちろんいずれも有料のサービスを想定している。

 それだけではない。みずほ銀行と三井住友銀行と手を組んで決済サービス「LINE PAY」を発表。買い物時の決済機能のほか、LINEユーザー同士の送金サービスも開始する。有料サービスの多様化に決済サービスのという組み合わせに、いよいよ利益化を加速させようという姿勢が読みとれる。