動機は焦りか、それとも利益化への布石か
矢継ぎ早にサービスを打ち出すLINE

【第9回】2014年10月15日公開(2014年10月15日更新)
ダイヤモンド・オンライン編集部

 このほか、パルコやルミネといった大型商業施設内の地図サービスや、タクシー配車サービス、さらには食事配送サービスなども発表。また、LINEとさまざまな業種の企業が連携することで、モバイルを通じたサービスを提供できる事例も発表した。

さまざまな企業と手を組むことで、有料ビジネスを加速させようとしているが……

 たとえば、日本郵便なら、LINEを通じて写真を送るだけで、年賀状をプリントするサービスを開始した。住所が分からない友人にも、LINEを通じてコンタクトし、本人に住所を入力してもらうことで、届けることができる。

 また、中古車販売のガリバーインターナショナルは、クルマとLINEを結ぶことで、広い駐車場で迷う事なく自分のクルマを見つけられたり、ガソリンの残量を確かめるなどのサービス機能提供を企画しているという。

ユーザー数が増えるだけでは儲からない
周辺サービスでいかに稼げるかが課題

 会員数、売上とも成長を続けており、生活のあらゆるシーンで使えるサービスも充実してきた。これだけを見れば、LINEの将来は安泰なように思えるかもしれないが、実はそうでもない。

 ユーザー数に関して言えば、登録者5億6000万人のうち、アクティブユーザー、つまり定期的に利用している人の数は1億7000万人止まりだ。

 世界に目を転じれば、たとえばフェイスブック傘下の無料通話アプリ「ワッツアップ」のアクティブユーザー数は6億人に上る。こうした先駆者たちに比べれば、LINEの規模はまだまだなのだ。

 LINEなどが展開する無料通話アプリの収益モデルがビジネスとして成立するかどうかは、無料のアプリユーザーの数を増やすことと、彼らに、いかにカネを遣いたくなるサービスを提供できるか。この2点にかかっている。要は、フリーミアムモデルの典型だ。LINEなら、昨年から始めた有料の「スタンプ」と、ゲームでの課金が、現状の主な収益源だ。さらに今回、発表したさまざまなサービスたちでユーザーの心を捉えることができるかどうかが、今後の成長を大きく左右する。

 LINEは今年、上場を予定していたが、先月末に見送ることを発表している。森川亮社長は「まずは事業を安定的に伸ばすことが重要」と話す。

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成長戦略が描けなければ上場はさらに遠のく

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