毎月5%の「自由」を
確保した収支を考える

 「これまで払っていた家賃と同じくらいローン返済を」という考え方については、どうだろうか。

「これまで支払えた」と「これから支払い続けられる」は微妙に違う。毎月必ず返さなければならない借金を負う場合、返済が滞らないように、きちんとゼロベースから返済プランを作るべきだ。

「お子さんがいる家庭では、彼らが高校生や大学生になると多額の教育費が必要になります。早いうちからコツコツ積み立てて、住宅ローンの返済に影響が出ないようにすることも、借入額を決める際の重要な判断材料です。住宅取得後に新たに必要となる管理費や修繕積立金、固定資産税などについても最初に概算して、しっかり確保しておきます」

 住宅購入によって、人生のステージが変われば、毎月の支出の構成も変わってくる。新たに支出の配分を考えていく場合、必ず「自由に使えるお金」を確保しておく。ここが、家計が破綻しないための重要なポイントになる。 

「自由に使えるお金は、家計の10%程度は欲しいところですが、あまり多く見積もると借入可能額が不足するので、最初は5%を確保しておいてください。この5%で不測の事態に備え、使わない場合は貯蓄に回していきます」

 要は借入可能額を「収入」から割り出すのではなく、家計の「収支」から割り出すのである。会社経営においてキャッシュフロー(お金の流れ)を重視するように、家計のキャッシュフローからローンをプランニングしていく。

「実際に計算してみると、希望的観測と違って、かなり厳しい数字が出るはずです。がっかりせずに、それを踏まえてご夫婦で、あるいはご両親を交えて、資金計画してみてください」

 

この記事が収録されている「週刊ダイヤモンド」別冊 2015年1月18日号『住まい探し完全ガイド2015新春』の詳しい内容はこちらからご覧いただけます。

新築マンション、戸建ての注目物件情報をお届けしている特設サイト『住まい探し完全ガイド2015新春 online』もあわせてご覧ください。紹介物件の資料が無料でご請求いただけます。