いま自社保有の不動産を積極的に活用し、企業価値の向上を図るCRE(企業不動産)戦略の動きが加速している。三菱地所リアルエステートサービスでは、不動産情報の一元管理を実現するCRE戦略支援システム『CRE@M』と、『CREコンサルティングサービス』を通じて、企業価値を最大化するソリューションを提供する。

 CRE戦略とは、企業不動産を重要な経営資源の一つとして捉え、不動産の全体最適を実現することで「企業価値の最大化」を目指す戦略のこと。海外の先進企業では当たり前のように行われている戦略だが、日本ではまだ認識が薄いのが実情だ。

三菱地所グループの
総合力をフル活用

泉 洋祐
執行役員
(情報開発グループ担当)

 三菱地所リアルエステートサービス(以下三菱地所リアル)の情報開発グループ、泉洋祐執行役員は、国内におけるCRE戦略の現状をこう分析する。
「昨年9月、当社で従業員規模100人以上の企業の経営層300人を対象に調査をした結果、自社で管理・所有している企業不動産に関しての理解や把握レベルが低く、企業価値の向上につながるCRE戦略についても約73%が『詳しく知らない』と回答、CRE戦略の効果について認知が低いことが分かりました。逆に言えば、不動産を効率的に活用できていない企業が多く、企業価値を最大化するチャンスは多く残されていると言えます」

 三菱地所リアルでは1972年の設立以来、企業再生サポート業務や担保不動産売却サポート業務を多く手掛け、2000年以降はM&A戦略サポート業務など、その時代の重要な局面にCRE戦略のプロとして関与し、豊富なノウハウを蓄積してきた。その同社が現在提供しているのが、CRE戦略支援システム「CRE@M」による不動産情報の一元管理と、その情報に基づいたコンサルティングサービス、CRE戦略の立案と実行である。

三菱地所リアルが行った調査レポートでは、経営層の企業不動産に対する把握レベルが低いという結果が出ている。“ほとんど知らない”の回答が最も多かった項目は、「重点拠点等余剰資産」で42.2%。「時価・簿価」についても36.5%、「最有効用途」についても35.5%が“ほとんど知らない”という結果だった。物件の所在地についても全部を把握していない経営層が約20%に及ぶなど、CRE戦略の立ち遅れが目立つ

 三菱地所リアルの強みを一言で言えば、三菱地所グループの総合力をフルに活用できる点にある。クラウドを利用した「CRE@M」によって見える化した不動産情報から、課題や問題点を抽出。それぞれの企業の経営戦略に基づいて、企業不動産の全体最適を提案し、三菱地所グループのさまざまな不動産リソースを活用して最適な助言をしている。