スマートフォンやタブレット端末などの普及やクラウド化の進展などにより、ビジネスにおけるIT 活用は新たな段階へと進んでいる。このような状況の中で、LMS(ラーニングマネジメントシステム)やタレントマネジメントなどのHR システムにも、新しい機能が求められつつある。そこで、HR ソリューションの新バージョンをリリースしたばかりのサムトータル・システムズの平野正信氏に、モバイル時代のHR システム選びのポイントを聞いた。

直感的なUIが求められる

 各企業が基幹システムを独自に構築し、社内のごく一部の限られた社員がパソコンを使ってシステムにアクセスする──そんな従来の社内システムの活用スタイルが、この数年で大きく変化している。先進的な企業では、独自の基幹システムをやめてクラウド化を進め、社内の不特定多数の従業員が、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレット端末などからインターネットを通じてシステムを利用できる仕組みに変わりつつあるのだ。

 こうした変化の中で、HRシステムを構築、あるいは見直す際には、どのような点に注目すべきだろうか。平野氏は、次のように話す。

サムトータル・システムズ
平野 正信 代表取締役社長

 「クラウド、ウェブ、モバイルへの対応は言うまでもありません。特にモバイルに関しては、パソコン、スマートフォン、タブレット端末のいずれからもアクセスできることが必要です。また、さまざまな従業員が利用するので、マニュアルを読まなくても使えるような直感的なユーザーインターフェース(UI)が求められます。誰がどのような端末からアクセスしても、高いユーザーエクスペリエンス(UX:ユーザーが製品を使った時に得られる満足度)を実現しているかどうかが、これからのHRシステムの重要なポイントとなります」

 直感的なUIの一例として、メガメニューが挙げられる。限られた表示スペースの中で、必要な情報をわかりやすく表示する機能のことで、多くのウェブサイトで採用されている。たとえ従来と同様の機能であっても、こうしたUIによって使い勝手は大きく異なる。また、スマートフォンのように画面が小さいほど、UIの重要性は一層高まる。

オフラインでも使えるか?

 HRシステムでも、スマートフォンやタブレット端末などの普及に伴い、モバイル環境への対応をうたう製品が増えている。モバイル環境とは、言うまでもなく、ユーザーが端末を携帯して、いつでもどこでも使えるということだ。しかし、モバイル利用で問題となるのが、インターネットが使えない(=オフライン)状況の時である。

「オフライン状況でも使うことができなければ、"いつでもどこでも使える"とは言えません。当社の製品の場合、あらかじめコンテンツをダウンロードしておけば、オフラインでも学べたり、分析や管理データを閲覧することができます。このようなオフライン時の使い勝手も押さえておく必要があるでしょう」

 またモバイル環境では、先述の通りUIやUXがますます重要になる。

「優れたUIやUXは、一朝一夕には実現できません。サムトータル・システムズは、HRシステムを約30年にわたって手がけてきましたが、その間、多くのユーザーに利用されてきた経験から、UIやUXを進化させてきました」

 同社製品には、さまざまな他社製品とシームレスに連携し、1つのシステムのように運用できる特長がある。こうした特長は、UIやUXの観点から大きなアドバンテージと言えるだろう。